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財団法人日本ユニセフ協会

ライブラリー プレスリリース

ユニセフ アン・ベネマン事務局長、2009年「世界女性の日」声明

【2009年3月8日】

今年の「世界女性の日」に際し、世界を悩ますひとつの問題を取り上げたい。

今も世界中で女性と女の子が日常的に家庭内暴力や性的搾取、性的虐待、人身売買に直面している。そしてこれらの犯罪は頻繁に懲罰を免れている。またレイプや性的暴力は、紛争のなかで武器として使われる頻度が増している。

紛争で500万人が死亡したコンゴ民主共和国のような国では、生存した多くの人々が性的暴力によって身体的、精神的な傷を負ったり、HIV/エイズに感染したり、妊娠させられたりしている。それは被害者となった女性や女の子に生涯にわたって計り知れない長期の影響を及ぼし、同時に社会全体にも悪影響をもたらすものである。

暴力を経験して生き残った母親たちは、子どもの身体的、心理的ニーズに応えることができなくなることが多い。それどころか、子どもの社会的技能や情緒的発達に悪い影響を及ぼす。

男性や男の子が、女性への暴力を終結させることに果たす役割は大きい。暴力の終結を実現するためのひとつの重要な方策は、男性や男の子が責任を持ち、暴力を永続化させる態度や行動を放棄するような教育プログラムと活動を制度化することにある。

私はこれまで、性的暴力をはじめとする様々な暴力の影響を受けた多くの女性と女の子に出会ってきた。彼女らのまなざしの中に見た苦悩は決して忘れることができない。彼女らの人生は疑いもなく変わってしまったのだ。

女性と子どもへの暴力をなくすため、あらゆる場所で人々が協力すること、これは義務であり、道徳的な要請である。

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