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ユニセフ協会からのお知らせ

52%は“したふり手洗い”〜特にダメなのは、男の子と40歳代の男性
子ども手洗い調査隊 『手洗い白書』発表

【2012年10月15日 東京発】

© 日本ユニセフ協会/Kaga
『手洗い調査隊』隊員募集(定員100名)には、全国47都道府県から、当初の予想を遥かに超える700人以上の子どもたちからご応募をいただきました。ありがとうございました。そして、残念ながら、今回“隊員”をお願いできなかったみなさん、ごめんなさい!

2009年のスタート以来、「手をあらおう。手をつなごう。」を合言葉に展開してきた「世界手洗いの日」プロジェクト。4年目の今年は、全国47都道府県の小学校3年生から6年生までの子どもたち108名を『手洗い調査隊』の隊員に任命。家庭や学校などで、家族や友だちの“手洗い状況”を調査してもらい、その結果を、『手洗い白書』にまとめました。

52%が“したふり洗い”

「パパの手洗いはテキトーだということがわかった」と報告してきてくれたのは、大阪府で調査してくれた日南太君(10才)。全国の『手洗い調査隊』隊員からの報告によると、調査対象(536人)中47%が、「正しい手洗い」に必要とされる20秒を超える手洗いを実行していた一方で、31%が10秒以下。また、全体の約10%は、手をぬらしただけか「短すぎて判別不明」という結果も見られました。男女比では、男性(特に0-19歳と40-49歳の年齢層)よりも、女性の方が正しい手洗いをしている傾向がみられました。逆に言えば、全体の52%が、十分に汚れが落ちない"したふり洗い"で終わっていて、10代の男性を含む男の子と40代の男性に、特にそうした傾向が見られることが分かりました。

『手洗い調査隊』隊員はまた、「どんな時に手を洗ったか」「どの場所を洗ったか」「せっけんを使ったか」「洗った後ハンカチやタオルで手をふいたか」などの項目もチェック。①手のひら②手の甲③指の間④手首⑤爪⑥親指のまわり(付け根)の「正しい手洗い」で押さえなければならない6つの"手洗い"ポイントのうち、特に⑤爪と⑥親指のまわりがきちんと洗えていない人が全体の4割弱。そして、それらの方々の多くが、そもそも、そうした場所を洗う必要性を知らなかった・意識していなかったことも明らかになりました(表参照)。

命を守る正しい手洗い

「正しく手を洗うためには20秒以上の時間が必要です」と語るのは、2010年からプロジェクトに参加いただいている千葉県こども病院感染症科の医師、星野直さん。「私たちの手は、目に見えないたくさんのバイ菌(細菌やウイルス)で汚れています。手についたバイ菌が体の中に入って病気を起こしたり、周りの人にバイ菌をうつしてしまうこともあります。つまり、手洗いは私たちみんなの健康を守るためにとても大切です」と語る星野先生は、正しい手洗いには、“方法”に加え、食事の前やトイレの後、帰宅時、そして風邪をひいている場合は、鼻をかんだ後や、せきやくしゃみを手で塞いだ後などの“タイミング”も重要と訴えます。

「日本は水がきれいだから正しい手洗いができていなくても、すぐに命を落とすことはないけれど、手洗いがバイ菌から体を守る第一歩だと思った」という感想を寄せてくれたのは島根県で調査に参加してくれた愛結ちゃん(9才)。今回、「手洗い調査隊」に参加した隊員には、調査票やTシャツ、腕章などがセットになった“調査隊キット”を配布。隊員たちは、キットに同封されたハンドブックなどで、“正しい手洗い”の方法だけでなく、正しい手洗いでその多くが予防できる下痢性疾患や肺炎などの感染症で、多くの幼い命が奪われている世界の開発途上国の現状も学びました。

© 日本ユニセフ協会

「日本は水がきれいだから正しい手洗いができていなくても、すぐに命を落とすことはないけれど、手洗いがバイキンから体を守る第一歩だと思った」と感想を寄せてくれたのは島根県で調査してくれた愛結ちゃん(9才)
『手洗い調査隊』隊員は、“調査隊キット”に同封されたハンドブックなどを通じて、“正しい手洗い”の方法だけでなく、正しい手洗いでその多くが予防できる下痢性疾患などの感染症で、多くの幼い命が奪われている世界の開発途上国の現状も学びました。

子どもたちから周囲の人々に

調査隊隊員にも紹介された、世界的ダンサー森山開次さん振り付けの『世界手洗いダンス』。ユニセフ本部の動画チャンネルでは、24万9000回も再生されています。

日本の子どもたちに、正しい手洗いの大切さを楽しく伝えるとともに、世界の子どもたちが直面する保健や衛生の問題を理解していただくために、『世界手洗いの日』プロジェクト・ボランタリーパートナー企業のみなさまと電通ソーシャル・デザイン・エンジンのご協力を得て実施した『手洗い調査隊』の試みには、“隊員”のお父さんやお母さん方からも多くのご感想をお寄せいただきました。「何気なくしている手洗いですが、今回、“している”のと“しているつもり”があるのに気づきました」「子どもが家族のお手本となってくれて、おとなにもいい機会になった」「我が家の手洗い隊長や手洗い先生になってくれました」「洗った手を清潔に保てるように気持ちのいいハンカチ、タオルを常備したいです」。10月15日を中心に、世界各地でユニセフが展開する「手洗いキャンペーン」と同じように、今回の“調査”は、隊員として参加した子どもたち自身だけでなく、周囲にも子どもたちが良い変化をもたらしてくれたようです。

「調査隊の活動を通じて、手洗いに関心をもってくれた方や、正しい手洗い方法を覚えてくれた方が大勢いました。これからも正しい手洗いを心がけましょう」(千葉県こども病院 星野先生)

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