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財団法人日本ユニセフ協会

ユニセフの取り組み

日本ユニセフ協会では、子どもポルノ問題など、子どもの商業的性的搾取の根絶を目指すアドボカシー活動の一環として、インターネットなどのサイバースペース上での子どもの保護問題に取り組んでいます。

子ども買春やポルノ、人身売買…。「国境を越えた」犯罪や脅威から世界の子どもたちを守るためには、日本を含め世界各国の法律・制度の整備、市民社会の取り組みが必要です。ユニセフは、様々なパートナーと協力し、社会にはたらきかけています。
ユニセフの現地事務所では、具体的な保護の取り組みを進めるために、「表面化」しにくいこうした問題を明らかにする努力が続けられています。また、昨年国連が発表した「子どもに対する暴力調査報告書」の作成にあたっても、主要な役割を果たし、官民の様々なパートナーと協力し、世界各地で、ヒヤリング調査を実施。国連史上初のこのレポートに、子どもたち自身の声も反映させました。
シンポジウム「子どもポルノサイトの根絶に向けて」
1996年にスウェーデンで開催された第1回子どもの商業的性的搾取に反対する世界会議。日本は、子どもの買春・ポルノ・人身売買問題の加害国として批判されました。これらの問題を解決するため、本シンポジウム共催4者は、5回にわたるフォローアップ会議を開催。所謂「児童買春・ポルノ等禁止法」の制定(1999年)などの働き掛けを続けてきました。
虐待の被害から立ち直るために
子どもたちは、自分の虐待画像がインターネット上で流され、もう完全に消し去ることができないことがわかると大きなショックを受けます。子どもポルノの被害によって身体と心に深い傷を受けた子どもたちへの保護は、彼らが安全を感じることができる環境づくりと心の安定とを第一に考えてケアにあたることが最も大切です。
子どもたちははじめ、自分の身に何が起きたのかを話そうとはしません。虐待画像を作られるまでに至った経緯、その最中に受けた虐待の詳細などを聞き出すときには、もっとも慎重な態度が求められます。子どもたちは、真相を明らかにするようプレッシャーをかけられると、さらに深く傷ついてしまうのです。そのため、子どもの保護を担当する医師やソーシャルワーカーは特別な研修と治療方法を習得し、子どもたちが自主的に話すようになるまで十分に時間をかけて治療を行います。
今すぐ国際的な取り組みを!

子どもポルノ問題について、国際社会での認識は高まってきており、日本やそれぞれの国でも問題解決に向けて積極的に取り組んでいます。しかし、サイバースペース全体を管轄する唯一の機関が存在しておらず、子どもポルノの定義や規制方法は各国でまちまちなのが現状です。まさに、これこそが子どもポルノ問題の根絶を目指す上で一番大きな課題となっています。

2006年4月、児童失踪・児童虐待国際センター(ICMEC)は驚くべき調査結果を発表しました。国際刑事警察機構(ICPO/インターポール)加盟184カ国のうちの95カ国で、子どもポルノを取り締まるための法整備がされておらず、その他の国でも現行法では不十分であることを報告しました。さらに、児童ポルノ犯罪に厳しく対処するために十分包括的な法整備がなされている国は、オーストラリア、ベルギー、フランス、南アフリカ、米国の5カ国のみで、ICMECが推奨する基準に実質的に準拠する国は22カ国でした。

国境を越えて深刻化するこの子どもポルノ問題には、国際社会が協力し、国際法にのっとった子どもの保護のための世界共通基準の策定が急務です。さらに、政府や警察だけでなく、IT業界、民間企業、そして個人個人が問題意識を高め、根絶に向けて一致団結して取り組まなければなりません。

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