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財団法人日本ユニセフ協会
【ヨード:各国ストーリー】ウズベキスタン
ヨード欠乏症の子どもたちに未来を!
死亡原因のグラフ
「毎日の食事を通して継続的にヨードを摂取するこどが一番の処方箋」

「私はどうなっちゃうんだろう。お姉ちゃんもどうなっちゃうんだろう、 弟は大丈夫かしら・・・ って考えると、とても不安になるの。」

ディルノザは涙を浮かべています。 「たくさん勉強して、いろんな経験をしたい。でも病気が悪化したらどうなっちゃうのだろう。」 ディルノザはタシケントに暮らす14歳の女の子です。明るく活発な女の子ですが、 甲状腺腫を患っています。 病気がわかったのは、6年前に健康診断を受けたときのことでした。 自覚症状がなかったため、それまで病気であることに気がつかなかったのです。 医者はディルノザのお母さんに、ヨードが添加された塩を、家庭で積極的に使うようにと助言しました。 毎日の食事を通して継続的にヨードを摂取することが一番の処方箋だというのです。 以来、ディルノザの家では、ヨード添加塩を使い続けています。

ユニセフキャンペーン、ヨード欠乏症をなくせ!

ウズベキスタンでは、ヨード欠乏症は国民病ともいえるほど深刻です。 ヨードが足りないと 甲状腺腫などの病気を引き起こすだけでなく、発達遅滞の原因となったり、学習を困難にしたりします。 2004年、ユニセフはウズベキスタンの教育・保健省とともに、ヨード欠乏症撲滅キャンペーンを開始しました。

キャンペーンでは、栄養の専門家が全国の小中学校を訪れて、栄養についての授業を行います。 生徒たちに、栄養やヨード欠乏症という病気について詳しく説明するのです。 そして、「全国塩チェックデー」という特別な日には、生徒たちは家から塩を持ってきて、 ヨードが添加されているかどうかをチェックします。 ディルノザが通う中学校でも、塩のチェックが行われました。

A balanced diet is best バランスのとれた栄養が一番
ヨードが添加されているかどうか,塩をチェックする生徒たち タシケントの中学校

© UNICEF Uzbekistan
ヨードが添加されているかどうか,塩をチェックする生徒たち タシケントの中学校

大勢の生徒たちは、ユニセフスタッフのデモンストレーションを真剣に見つめています。 塩の中に薬品を一滴ポトリ。青に変わったら、ヨードが添加されている印です。

「自分の番が回ってきたとき、すごく緊張したわ。 塩のパッケージには“ヨード添加塩“って書いてあるけど、この目で確かめるまで信じることはできないもの。 でも、塩が青に変わった瞬間、 ほんとうにホッとしました。」

全国、およそ6百万人の生徒が参加した検査結果は、教育保健省で集計、 食塩のヨード添加率は57%という結果でした。 前回の19%と比較すると、大きな前進です。

「栄養についての授業で初めて知ったことは、ヨードが足りないと知能の発達が遅れると いうことです。 妊婦さんは、おなかの子どもが健やかに育つように、 ヨードを積極的に摂取しなければならないということも学びました。」

ディルノザは、お母さんが塩を買ってくるたびに、塩のチェックをするようになりました。

「お母さんが塩を買ってくるたびに確かめて安心するの。病気を治すために、家族が健康でいるために、ヨードは大切だから。」

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