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公益財団法人日本ユニセフ協会

ユニセフ・ユネスコ最新報告書発表
12歳〜15歳の青年期の子どもの5人にひとりが、
小学校学齢児の11人にひとりが学校に通えず

【2015年1月19日 ロンドン発】

本日1月19日、ユニセフ(国連児童基金)とユネスコ統計研究所は、世界教育フォーラムにおいて最新の共同報告書「“学校に通えない子どもたちに関する世界イニシアティブ”調査結果〜反故にされた約束、『万人のための教育を』を再び(英語表記:Fixing the Broken Promise of Education for All: Findings from the Global Initiative on Out-of-School Children)」を発表し、12歳〜15歳の青年期の子ども約6,300万人が、教育を受ける権利を認められていないことを明らかにしました。

11人に1人が小学校に通えない

世界で初等教育学齢期の子ども11人にひとりが学校に通えない一方、青年期の子どもの場合は5人にひとりが通えず、未就学の割合は初等教育学齢期の子どもの倍にのぼります。報告書は、子どもの年齢が高くなるほど、学校に入学しにくくなったり、中退率が高くなったりするというリスクについても示しています。

紛争下など、困難な環境下の子どもに焦点を

小学校で授業を受ける女の子。(インド)
© UNICEF/INDA2014-00385/Altaf Qadri
小学校で授業を受ける女の子。(インド)

国際社会は2015年までの目標として、万人のための教育を掲げました。しかし、計1億2,100万人の子どもや若者が、一度も学校に入学したことがないか、中退している状況であり、データは2007年以降、ほとんど改善が見られていないことを示しています。武力紛争や児童労働、民族性やジェンダー、障がいを理由とする差別が最も影響を及ぼしています。政策とリソースに大きな変化がもたらされない限り、これまで拡大した教育へのアクセスが損なわれる懸念が増しています。

イリナ・ボコヴァ ユネスコ事務局長は、「最も不利な立場に置かれている子どもたちが学校に通えるようにするためには、より多くの教員、教室、教科書をという、通常の戦略による支援では不十分です。教育の機会を奪われている、武力紛争で住む場所を失った家族、家庭に押し込められている状況下の女の子、障がいのある子ども、労働に駆り出されている何百万もの子どもたちへの支援に焦点をあてることが不可欠です。本報告書は、すべての子どもに基礎教育を保証するための資源を動員するよう、警笛を鳴らしています」と述べました。

中等教育に対する課題

ポスト2015年開発アジェンダに世界の中等教育に対する課題を含めるという動きが高まる中、本報告書には、子どもたちを学校から遠ざける障壁を打ち破る方策が盛り込まれています。現在の傾向が続けば、生涯一度も学校に通うことのできない子どもの数が2,500万人(女の子1,500万人、男の子1,000万人)にのぼる可能性を指摘しています。

3分野への取り組み

先生の質問に答える子どもたち。(ナイジェリア)
© UNICEF/NYHQ2013-0473/Esiebo
先生の質問に答える子どもたち。(ナイジェリア)

アンソニー・レーク ユニセフ事務局長は、「万人のための教育を実現するためには、地球規模で3つの分野への投資が必要です」と述べました。「一つ目は、より多くの子どもを初等教育へ。二つ目は、より多くの子どもたち、とくに女の子を中等教育レベルまで学校を中退させないこと。三つ目は、就学中、一貫して教育の質が向上されることです。これら優先課題に関して議論の余地はなく、我々はこの3分野すべてを達成する必要があります。なぜなら、教育に対する支援がもたらす効果、つまりすべての子どもの成功は、この3点にかかっているからです」と続けました。

子どもの半数以上が小学校に通えない国

学校に通えない子どもの割合が最も高い国はエリトリアとリベリアで、それぞれエリトリアで66%、リベリアで59%の子どもが初等教育を受けられていません。多くの国で、特に年齢の高い女の子が最も学校に通えていない傾向にあります。パキスタンでは、12歳〜15歳の青年期の女の子の58%が通学していない一方、男の子は49%です。

貧困が最も大きい障壁に

貧困が教育に対する最も大きい障壁となっています。ナイジェリアでは、貧しい家庭の子どもの3分の2が学校に通っておらず、そのうち90%近くは、一度も就学することがないとみられています。これとは対照的に、裕福な家庭の子どもの5%は学校に通っていませんが、将来このうちのほとんどの子どもが学校に通うようになることが予測されています。

子どもたちを政策の中心に

授業を受ける14歳の女の子たち。(バングラデシュ)
© UNICEF/BANA2014-01312/Paul
授業を受ける14歳の女の子たち。(バングラデシュ)

ユニセフとユネスコは、教育へのアクセスや教育の質を向上するという大規模な努力の一環として、最も置き去りにされている子どもたちを政策の中心に置くことを求めています。そのためには、各国政府は、だれが学校に通えていないのか、どこに住んでいるのか、一度も学校に出席したことがないのか、あるいは将来にわたってその傾向が続くかなどの情報を、しっかりと把握することが不可欠です。しかしながら、現在のデータ収集方法では、学校に通えていない子どもたちの多くは、存在しないかのように、その状況が明らかにされません。これらの子どもたちの中で、障がいのある子どもの状況は最も見えにくく、信頼できるデータが存在しません。国による未就学児支援対策において、見落とされているのです。

ユニセフとユネスコは、報告書を通して、最も置き去りにされている子どもたちに教育の機会を届けるための初期投資は大きな利益をもたらすとして、よりよいデータ収集に投資するよう、行動を求めています。よりよい統計と革新的なツールは、政府やドナーの、一層効果的・効率的な教育への資金分配を可能とします。

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■参考情報
本報告書は、ユニセフとユネスコ統計研究所が50カ国以上でパートナーシップを結んでいる「学校に通えない子どもたちに関する世界イニシアティブ(英語表記:Global Initiative on Out of School Children)」の一環として発表されました。報告書では、どのような子どもたちが学校に通えないのか、なぜ通えないのか、子どもたちが学校に通えるようにするにはどのような戦略が必要かを明らかにし、子どもたちが学べるようにするための革新的な政策の開発を行っています。

学校に通えない子どもたちに関する統計や詳細、ミレニアム開発目標に掲げられた関連目標などはユネスコ本部ホームページ(英語)をご参照ください。

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