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財団法人日本ユニセフ協会
「エスター・グルマさん インタビュー」
Interview with Esther Guluma

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1.現地のユニセフ事務所と地域事務所

支援者の方々には現地のユニセフ事務所と地域の事務所との違いが分かりにくいと思います。その違いを教えていただけますか?

現地事務所は支援活動を実施するところ、地域事務所はこれを監督する立場のところです。具体的に言えば、地域事務所では、モニタリング・評価、調査や知識管理、能力育成のための研修などを行っています。質的向上、技術支援、予算を引っ張ってくること<ファンドレイジング>なども仕事の一部です。

特に強調したいのが技術支援です。専門知識を持ったスタッフがこの仕事にあたるのですが、1年間の80%を、地域事務所外で過ごします。国から国へとわたって技術を、現場のスタッフや政府の人たちに教えているのです。

西・中央アフリカ地域事務所の担当地域は何カ国ですか?
また地域の特徴を挙げるとすればどんなことでしょうか?

担当地域は24カ国。多くの問題を抱えていますが、情熱的なスタッフがいるおかげで、助かっています。中央アフリカの31歳の代表から、経験豊かな代表まで、スタッフ共々、フィールド(現場)を大切にし、そこに出向いてはきちんと成果を得ようと頑張っています。

© UNICEF HQ05-1026 /Radhika Chalasani

この地域は多くの問題を抱えています。例えば、紛争、栄養不良、マラリア、下痢性疾患、教育、妊産婦死亡率の高さ、FGM/カッティング(女性性器切除)などです。

紛争——これは小さなものから大きなものまであります。まだくすぶっているところ、終わったところ。子どもたちへの脅威もさまざまです。ニジェールやマリでは、抗争が続いており、地雷や誘拐といった問題が起きています。チャドはスーダンからの難民問題とジャンジャウィードの問題。中央アフリカでも北部・北西部で反政府勢力と政府の間で紛争が続いています。コートジボワールでも同じ。

コンゴ民主共和国の避難民キャンプを訪ねて、人々に話を聞いたことがあります。すると、避難民たちは、同じことを3度も4度も経験しているのです。紛争が起きて、故郷から避難して数カ月、数年。安定したと思って故郷に戻ると、しばらくしてまた武装勢力に襲われて故郷から逃げてくる。この繰り返しなのです。地域では比較的安定しているカメルーンでさえ、近隣から難民が流入してきて、一時的に近隣コミュニティが不安定になります。  

こうした中で、子どもたちは家族を奪われ、あるいは学校に行く機会さえ奪われてしまっています。

© UNICEF HQ05-1042/Radhika Chalasani

サヘル地域(サハラ砂漠南部の半乾燥地域)にあたるブルキナファソ、ニジェール、マリ、モーリタニア、トーゴなどでは栄養不良が問題となっています。子どもの死亡の50%が栄養不良に関係していると言われています。

マラリアの問題を見ると、5歳未満児の10人に2人は命を奪われます。その多くがマラリアを原因としています。下痢性疾患は、安全な水が手に入りにくいことと関係があり、教育の面を見れば、紛争のせいで学校に行けない子どもは50%にも及んでいます。もちろん、それだけでなく根本的な貧困が子どもの教育を阻んでいます。学校そのものが近くにないのも問題です。

妊産婦死亡率が高いのは、地理的な問題、輸送・交通の問題、保健センターの整備などの問題があります。FGMの問題は、伝統や習慣ともからむものなので、悪しき慣習としてやめさせるには、大変な努力と「時間」を要します。

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