メニューをスキップ
公益財団法人 日本ユニセフ協会
公益財団法人日本ユニセフ協会

緊急・復興支援における6つの取り組み

保健・栄養

©日本ユニセフ協会/2011/K.Goto

給食を食べる吉里吉里保育園(大槌町)の園児たち。
園舎は津波によって全壊したため、お寺を間借りして保育を再開した。

被災地では、震災発生直後から、全国から集まった多くの医療支援団体が活動していました。しかし、その多くは外科的な対応を目的とするもので、乳幼児の保健に関わる支援は非常に限られていました。

乳幼児の定期健診や予防接種などは、その"必然性"から、通常、行政が主体となって実施される事業ですが、震災直後は多くの自治体が被災し、行政もその機能を十分に果たすことが難しい状況でした。さらに、避難生活の中で、おとなでさえも十分な食事の確保が困難な中、ミルクや離乳食も不足し、体や脳をつくる大切な時期にある子どもたちにとって必要かつバランスの取れた栄養を確保するのも難しい状況でした。

日本ユニセフ協会は、震災発生直後の時期を中心に、行政による定期乳幼児健診や予防接種の再開を支援するための器具や備品の提供や避難所や保育所への補食支援などを実施。避難生活を送られている方々を対象にした育児に関する無料電話相談活動を行いました。

保健・栄養支援 実施プロジェクト一覧

活動分野 内容 連携団体
未就学児のための栄養支援
  • 声明と指針発表
    物資が不足し衛生的な環境の確保が困難な緊急時でも、母乳育児を継続できるようにするための適切な支援のあり方や、お母さんの不安を軽減するための声明と指針を発表しました。
    関連記事: https://www.unicef.or.jp/kinkyu/japan/2011_0406.htm
    母子ホットライン開設
    お母さんと赤ちゃんを応援するため、母乳育児を含む乳児栄養の相談を受け付ける無料ホットラインを設置しました。また乳児栄養に関する適切な情報を広め、お母さんと赤ちゃんに優しい環境づくりに役立ててもらうため、ポスターとパンフレットも作成いたしました。
    関連記事:https://www.unicef.or.jp/kinkyu/japan/2011_0413.htm
  • 母乳育児団体連絡協議会
  • 災害時の母と子の育児支援共同特別委員会
  • 電通
  • 未就学児家庭への食生活指導
    震災直後、避難生活、物資不足が続く中、未就学児への子育て・食生活支援として、未就学の子どもとその保護者の食生活の調査や身長や体重などの子どもの生育状況、保護者の不安などを調査し、管理栄養士への個別相談や個別指導などを行ないました。
  • 青森県立保健大学
  • HANDS
就学児のための栄養支援
  • 栄養補給支援
    震災直後、避難生活、物資不足が続く中、炭水化物中心の食事が続く被災地で、子どもの成長に影響を与えるビタミン欠乏を予防するため、避難所や仮設住宅へビタミン強化米や、肝油を配布しました。
  • 朝食・補食支援
    保育所への補助食(おやつ)の提供、避難所への牛乳やヨーグルトの提供、学習支援の場所への軽食支援など、避難生活、物資不足が続く中でも、成長期の子どもたちが十分な栄養を摂取できるよう支援を行いました。
  • 給食センター修繕
    宮城県牡鹿郡女川町の要請を受け、地震による被害で使えなくなった給食施設の修繕を支援。2011年の8月から給食施設が再稼動し、女川町の全ての小中学生に、完全給食を提供できるようになりました。
    関連記事:https://www.unicef.or.jp/kinkyu/japan/2011_0823.htm
  • 給食設備・備品支援
    津波によって給食センターが全壊し、パンと牛乳だけの給食が続いていた宮城県石巻市に全小中学生15,000名分の給食食器と、給食センター3ヶ所への食器洗浄機や消毒保管庫などの設備を支援しました。これにより、震災から1年後の2012年4月から、ようやく震災前と同じ給食が提供されるようになりました。
    関連記事:https://www.unicef.or.jp/kinkyu/japan/2012_0413.htm
 
保健・医療
  • 緊急時の保健医療システム強化支援
    行政機能の早期回復のための資機材や車両、パソコンなどの支援に加え、震災食後、避難所や仮設住宅へ歯科医師・歯科衛生士、薬剤師、栄養士からなる多職種協働の医療支援チームを派遣し、医療支援や健康指導を行なったり、他の医療チームや被災した開業医への後方支援を行いました。
    関連記事:https://www.unicef.or.jp/kinkyu/japan/2011_0407.htm
  • 乳幼児健診再開
    保健事業は赤ちゃんを病気から守り、健やかな成長を見届ける上で非常に大切です。行政による定期乳幼児健診を早期に再開させるため、器具や備品の提供や、健診の周知のためのポスター制作を行ないました。
    関連記事:https://www.unicef.or.jp/kinkyu/japan/2011_0420.htm
  • 保健センター建設支援
    宮城県南三陸町では、町内の2つの保健センターが流出し、小学校の空き教室などを借りて乳幼児健診を再開しました。住民から保健センターの早期再開が望まれるなか、南三陸町からの要請を受け、2つの保健センターの仮設施設を支援しました。
 
  • 行政による予防接種再開
    乳幼児健診同様赤ちゃんを病気から守るために必要な乳幼児定期予防接種の再開のため、器具や備品の提供、健診の周知のためのポスター制作を行ないました。
    関連記事:https://www.unicef.or.jp/kinkyu/japan/2011_0518.htm
  • インフルエンザ予防接種支援
    長期化する避難生活の中で、普段より抵抗力が落ちたり、避難所などの集団の中で生活することが多い中、インフルエンザの流行が懸念されていました。岩手、宮城、福島の被災地域の中学生以下の子どもを対象に、2011、2012年に、予防接種費用の助成を行ないました。
    関連記事:https://www.unicef.or.jp/kinkyu/japan/2012_1003.htm
  • 博報堂
Copyright (c)公益財団法人 日本ユニセフ協会