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公益財団法人 日本ユニセフ協会
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公益財団法人日本ユニセフ協会

国際協力人材養成プログラム

海外インターン体験記

氏名 藤村 真耶
派遣先 ナミビア事務所
派遣期間 2019年6月〜2019年12月

2019年6月末から12月中旬までUNICEFナミビアカントリーオフィスの保健部署でインターンをさせていただいた藤村真耶と申します。

ナミビアはUMIC(中高所得国)でありながら、income per capita(一人当たりの所得)格差が世界で最もある国と言われています。この所得格差により中高所得国にもかかわらず、ナミビアの母子死亡率がMDGに達成していません。そのため政府は母子保健の改善を重視してます。国と共にユニセフも母子死亡率を減らすための様々なプログラム(Every Newborn Action Plan)を設置しています。私はインターンの期間ユニセフの保健部署に在籍し、子供の死亡率を下げる活動に参加させていただきました。

インターン経験で特に印象に残っていることは、ナミビア首都から1200kmのカティマ・ムリロ市へのフィールドワークの経験です。私はナミビア駐日大使やナミビアの厚労省局長、ユニセフ代表に同行し、一週間カティマ・ムリロ市に滞在する間、病院への新生児ケア機器の受け渡しやそれに伴うセレモニーに参加し、また現地のコミュニティや小学校の衛生状況を視察しました。その際コミュニティや病院を回り、日本政府からカティマ・ムリロ市への寄付金が、どのように現地の人々に役立っているかを知ることが出来ました。

以前、カティマ・ムリロ市病院では、新生児ケア機器が揃っていなかったため、新生児の死亡率が高く問題になっていました。妊婦や新生児の健康状態に緊急を要する場合、車で4時間半かかる大きな病院に転送されていて、その転送の途中命を落とす母子がありました。日本政府の寄付によって、様々な新生児ケア機器が設置出来たことにより、新生児の命が救われ母親やコミュニティの衛生状況が良くなったと現地の人々が言っていました。

ナミビアは水不足のための手洗いが不十分であることや、屋外排泄による衛生問題が深刻で、これらに起因するE型肝炎(Hepatitis E)を発症する人が多くいました。この問題を解決するために、小学校に手洗いのためティッピー・タップ(水をいれたポリタンクを糸で結び、手洗いができるようにした設備)が配置されました。現在、子供たちは手洗いの歌を歌いながらティッピー・タップで手を洗っています。村でも村人たちが自分たちで設置した屋外トイレによって、屋外排泄を完全に無くしました。ユニセフや日本のサポートで、厳しい状況にありながらもコミュニティ自身が、子供たちのために公衆衛生の向上をしていく姿を目の当たりにして、コミュニティのレジリエンスと決意に感動しました。外からの業者がトイレなどをコミュニティに作ってあげた場合、使ってもらえず物置に使われたり、一度壊れたらそのままという場合が多いと聞きます。外から与えられるのではなく、このような活動をコミュニティがリードすることで、村人のモチベーションが上がりエンパワーメントにもなると学びました。

現在私は、ナミビアで学んだフィールドワークの知識を、国際ジャーナルに投稿できるように論文にまとめているところです。また大学院の学会発表に繋げられるように進めていきたいと思っています。

大学院の修了後には、国際協力へのキャリアを積んでいきたいと思っています。今回のインターンシップでは、後進国の保健衛生に実際に関わることが出来、その国の衛生状況を変えることがどんなに困難かを知るとともに、それでもコミュニティの人々が自身でその状況を変えようとした時大きく状況が変わることを知り、その力が何物にも代えがたいものだと感じることが出来ました。今回の経験を活かし今後の活動を行っていきたいと思っています。

この6ヶ月のインターシップに関わってくださった日本ユニセフ協会の方々に大変感謝しております。

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