メニューをスキップ
公益財団法人 日本ユニセフ協会
HOME > 国際協力人材養成プログラム > 海外インターン体験記
公益財団法人日本ユニセフ協会

国際協力人材養成プログラム

海外インターン体験記

氏名 藤原 周平
派遣先 カメルーン事務所
派遣期間 2018年7月〜2018年11月

カメルーン事務所では、子どもの保護セクションに配属され、武力紛争によって20万人以上の国内避難民が発生しているカメルーン北西州及び南西州の対応に従事しました。カメルーンの公用語は仏語と英語です。10の州で構成され、8州はフランス語圏、残りの2州である北西州及び南西州は英語圏となっています。もともと前者は仏領で、後者は英国の委任統治領でした。歴史的に北西州及び南西州では、カメルーンからの独立運動が盛んでしたが、2017年9月頃から独立運動は、カメルーン政府への敵意に変わり、武力紛争への道を歩んでしまいました。

インターン中は、大きく分けて2つの業務を担当していました。1つ目は、北西州及び南西州のプログラム管理のサポートです。ユニセフカメルーンは、NGOと共に、紛争の影響を受けている子ども達の社会心理的なサポートや随伴者のいない子ども及び家族と離散した子どもの保護に力を入れて活動しています。現場でのプログラム実施はパートナーであるNGOが担っていて、私がサポートした具体的な業務としては、プログラム計画の策定、プログラム実施においてNGOが直面する問題への対応・解決及びNGOからの報告書の管理等です。この業務経験を通して感じたことは、国連の緊急支援プログラムにおいてNGOが果たす役割は非常に大きいということです。当時、北西州及び南西州は、カメルーン政府による規制や治安の悪化のため、国連組織が入っていけない地域でしたが、NGOと協力することで緊急支援が可能となりました。一方で、国連組織の役割として、パートナーであるNGOが緊急支援を行うことができるようサポートすることが非常に重要であることにも気づきました。現場でのプロジェクト実施や報告書作成の研修を行うなど、NGOの能力向上を行う必要性を感じました。

2つ目の業務としては、北西州及び南西州で起こっている治安に関する出来事を、国際連合安全保安局やACLEDなどの紛争関連情報の共有サービスから得られる情報を用いて、データベース化し、武力紛争の傾向分析を行いました。例えば、一般市民への暴力件数、誘拐・拉致件数、紛争による死者数、学校への攻撃件数、子どもの権利侵害に関わる出来事の件数といった様々な指標の地域別の増減分析を行い、紛争がどのような状況にあるのか調査しました。その情報をグラフや地図に反映し、視覚化する作業も行いました。この業務は、子どもの保護、水・衛生、教育及び保健などの各主要セクターの主な業務ではありませんが、援助を必要としている地域がどのような状態にあるかを知るために非常に重要でした。子どもの保護セクションの枠組みを超えた業務を行うことができて、幸運でした。

本インターンシップを取り計らっていただいた日本ユニセフ協会の皆様、このような貴重な機会を与えていただき、誠にありがとうございました。

  • ユニセフ・カメルーン事務所代表と記念撮影ユニセフ・カメルーン事務所代表と記念撮影

  • 送別ランチを開いていただきました送別ランチを開いていただきました

<< 海外体験記一覧へ戻る

トップページへ先頭に戻る