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公益財団法人 日本ユニセフ協会
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公益財団法人日本ユニセフ協会

国際協力人材養成プログラム

海外インターン体験記

氏名 中山 蒼
派遣先 モンゴル事務所
派遣期間 2019年6月〜2019年9月

2019年6月から9月まで、モンゴル国の首都・ウランバートルにあるUNICEFモンゴル事務所の教育セクションでインターンさせていただきました。直接のスーパバイザーである教育専門官の方を始め、様々な方のご指導のもと、主に3つの活動に携わらせていただきました。具体的に担当したのは、①インクルーシブ教育の実践および資金調達メカニズムについての国際比較調査、②本年8月に公表されたサーベイ結果(Multiple Indicator Cluster Survey <MICS>・2018年モンゴル国版)を用いた、ウランバートルへの世帯移動が子どもの教育・学習成果に及ぼし得る影響についての定量分析、③ UNICEFモンゴル事務所が支援する地域への視察に同行した際のレポート作成などです。

それぞれの活動から様々な学びを得ましたが、ここでは3番、特にウムヌゴビ県への訪問を通じ実感したことを報告いたします。ウムヌゴビは、モンゴル国南部に位置する面積が最も大きい県です。MICSの公表直後である9月上旬に、同サーベイに深く携わっているUNICEFモンゴル事務所の統計専門官の方などと同県を訪問しました。この調査の大きな目的は、地方政府機関とのミーティングの実施やサーベイ結果の報告会への出席を通じ、同県の子どもたちを取り巻く環境を理解することでした。お会いした多くの関係者が、サーベイ結果をこれからのプログラムの策定・実施に活かしていくことについて、非常に前向きな姿勢を示していた点が印象的です。教育や保健という分野で効果的なプログラムを実施するにあたっては、現状の課題を適切に把握することが不可欠と考えています。その点、国内の1万世帯以上を対象に、子どものウェルビーイングに関わる項目を網羅している同サーベイの注目度の高さに感銘を受けました。またこのことから、関係各所へのインタービュー等を通じて得た定性データに、定量データを組み合わせることで、モンゴルの子どもたちを取り巻く教育課題を仔細に分析する責任を感じたところです。中でも、ウムヌゴビ県のみならずモンゴル国全体で急激に進行している都市部への人口集中が、都市部の教育に与える影響について強い関心を抱き、インターン期間中に前述の定量分析レポートを完成させるに至りました。

このほかにも、ウランバートル市内のゲル幼稚園(ger kindergarten)を訪れた際に、印象深い出来事がありました。都市部への人口集中に伴い幼児教育施設が著しく不足している一部地域では、モンゴル国の伝統的な移動式住居であるゲルが幼稚園として利用されています。UNICEFモンゴル事務所が支援しているゲル幼稚園の始業式に参列した際に話をした保護者の方から、ゲル幼稚園ができたことによって自身の子どもが幼稚園に通えるようになったことを教えてもらいました。楽しそうに始業式に参加する児童の姿を見ながら、全ての子どもたちが質の高い教育を受けられる世界の実現に貢献したいとの思いを新たにしました。

このように、オフィスでのデスクワークに加え、様々な会合や視察に参加できたことは、UNICEFカントリーオフィスの業務を包括的に理解する上で大変有意義でした。また、いくつかの学校や施設への訪問に同行した際に、短い時間ではありましたが子どもたちともコミュニケーションをとれたことで、UNICEFのプログラムがどのような形で子どものウェルビーイング向上に貢献しているのか理解を深めることが出来ました。これらの経験を元に、今後どのように国際社会に貢献していきたいか考えを固めていきたいと思います。

日本ユニセフ協会、UNICEFモンゴル事務所の皆様方をはじめ、モンゴル国滞在中にお話をお伺いした関係機関、学校訪問の際にお時間をいただいた教員・保護者・学生各位、そしてご支援を賜りました全ての皆様方に心より御礼申し上げます。今回の貴重な経験を糧に、所属大学院での勉学・研究に一層励み、また修士課程修了後は教育を通じたエンパワーメントに貢献してまいります。

  • 教育セクションでお世話になった方々との一枚教育セクションでお世話になった方々との一枚

  • 他のセクションのインターン生との一枚他のセクションのインターン生との一枚

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