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公益財団法人 日本ユニセフ協会
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国際協力人材養成プログラム

海外インターン体験記

氏名 上田 由理佳
派遣先 マラウイ事務所
派遣期間 2021年5月〜2021年9月

2021年5月下旬から8月末まで、マラウイ共和国の首都・リロングウェにあるUNICEFマラウイ国事務所の栄養セクションでインターンシップをさせていただきました。栄養セクションには6つユニットがあり、私は「乳幼児の栄養(IYCN)ユニット」に所属していましたが、他のユニットの職員の方々からもご指導をいただきながら、様々な業務に携わらせていただきました。具体的に担当したのは、急性栄養不良や微量栄養素パウダーのデータ分析・レポート作成、FAOと共同実施の栄養に配慮した農業(nutrition-sensitive agriculture)のプロジェクト実施支援、ビタミンA補給・駆虫全国キャンペーンのデータ統括でした。この他にも、政府やNGO等の会議に出席し議事録を取ったり、栄養介入事業の実施地域を可視化するためのマッピングや地図作成を行いました。

コロナ禍では出張の承認が大変厳しくなったため、基本的にデスクワークが中心でしたが、リロングウェ県内の農村部にある事業対象コミュニティを訪問する機会が二回ありました。一回目は、8月の世界母乳育児週間の啓発用動画と写真撮影に同行したときです。裨益者である乳幼児の母親と父親に協力してもらい、栄養教育を通じて学んだ母乳育児の大切さやコロナ禍で注意すること等について話してもらいました。UNICEFの看板で発信するメッセージは影響力が大きいため、母乳育児に関する組織のスタンスや啓発メッセージがきちんと伝わるようにすることや、誤解を生まないようにすることに注意するため、複数の職員により細部まで動画チェックが必要であることを学びました。

二回目は、乳幼児の母親、コミュニティボランティア、現地NGO職員にインタビューをしたときです。ドイツ復興金融公庫(KfW)の支援で実施している栄養不良対策プロジェクトにおいて、新型コロナウイルスの感染対策を考慮した栄養・衛生活動の内容や、裨益者が学んだことについて伺ったり、手洗いのデモンストレーションをしていただきました。石鹸を使った手洗いやマスクの着用、冠婚葬祭で密に集まらないようにする等の意識がしっかり住民の方々にあることが確認できました。また、免疫力向上のためにも母乳育児や食事の多様化を継続する点も理解されていました。しかし、石鹸や栄養価の高い食品の購入において経済的な壁が大きな課題であることも明らかになったため、生計向上と栄養改善の両方に資するプロジェクトの形成・実施に今後関わっていきたいと思いました。このインタビューで聞いた住民やコミュニティボランティアの声をブログにまとめました1

この度のインターンシップは、2020年に決まっていた派遣を翌年に延期していただいたことで実現できました。日本ユニセフ協会とUNICEFマラウイ事務所の方々の柔軟で丁寧なご対応・ご支援に心より御礼申し上げます。また、マラウイ滞在中に大変お世話になった、現地の行政職員・NGO・コミュニティの方々、現地で大変お世話になった国際機関関係者の方々、そしてご支援を賜りました全ての皆様に感謝申し上げます。今回の貴重な経験を基に、今後も国際開発業界で働いていけるように精進して参りたいと思います。

  • リロングウェ県の農村部で、NGO職員の方の通訳を介してコミュニティボランティアの方にインタビューを行いました。

  • 世界母乳育児週間のためにドローンで撮影しているときの写真。皆さん興奮していました。

  • UNICEF職員の方々との写真(写真撮影時のみマスクを外しています)。


  1. https://www.unicef.org/malawi/stories/care-group-activities-protect-children-malnutrition-and-covid-19

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