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日本ユニセフ協会
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ハイチ/ハリケーン被害から1カ月
いまだ高い人道支援ニーズ
60万人近い子どもが支援を待つ被災地
コレラ疑い、1カ月で1,000件

【2016年11月4日  ポルトープランス(ハイチ)発】

ハリケーン「マシュー」がハイチで猛威を振るってから1カ月、いまだに約60万人近い子どもたちが感染症、空腹、栄養不良が蔓延する中で人道支援を必要としています。

いまだ支援を待ち続ける子どもたち

ハイチにて避難先の教会で遊ぶ子どもたち(2016年10月13日撮影)

© UNICEF/UN035877/LeMoyne

ハイチにて避難先の教会で遊ぶ子どもたち(2016年10月13日撮影)

「ハリケーンから1カ月が経過したにも関わらず、ハイチの50万人以上の子どもたちの生活は、いまだに日常の再建からほど遠い状態です」とユニセフ・ハイチ事務所代表のマーク・ヴィンセントは述べました。「あまりに多くの子どもたちがいまだに家がなく、空腹を抱え、学校にも通えず、危険に晒されています。私たちは、できるだけ多くの子どもたちにできる限り早急に手を差し伸べられるよう、対応の規模を拡大していきます」

建物をなぎ倒し、生活の糧を破壊した、カテゴリー4のハリケーンに襲われてから1カ月後のハイチで、ユニセフは子どもの置かれている状況を調べ、コレラの感染が疑われる症例が少なくとも1,000件あったとしています。全国に219あるコレラの治療センターのうち、最も大きな被害を受けたグランダンス県と南県にある18施設が損傷を受けたことが、コレラの封じ込めを難しくしています。

特に被害の大きかった地域での農作物の全面的な破壊、食料備蓄や家畜の損失を受け、80万人以上の人々が緊急の食糧支援を必要としており、11万2,000人以上の子どもたちが急性栄養不良の危険に晒されています。

推定5万人の子どもたちが家を失い仮設の避難施設で暮らしているとされます。 加えて、施設で暮らしている3,500人の子どもたちが、栄養、水、衛生面の支援を必要としています。

グランダンス県では、80%近くの病院と保健センターが屋根を失いました。さらに、グランダンス県の7つの保健センター、南県の4つの保健センター、ニップ(Nippes)県の3つの保健センターが閉鎖を余儀なくされました。

700校以上の学校が被害を受け、86校は仮設避難施設として使用されているため、少なくとも15万人の子どもが学校に通えなくなっています。

ユニセフが届ける支援と資金面の課題

ユニセフは、ハイチ国内外のパートナーと協力して、最も厳しい状況にある子どもたちに基本的なサービスを提供する活動を行っています。

  • 安全な水を毎日10万人の人々へ提供
  • 来週から実施される90万人を対象としたコレラ予防接種キャンペーンの支援
  • 浄水剤、石けんや経口補水塩を含む、コレラ予防キットの提供(毎日100~200キットの配付)
  • ハリケーンの被害を受けた地域において、5歳未満の子どもたちや妊産婦に対する栄養不良の予防と治療など、統合的な支援の提供
  • 定期的な予防接種を稼働できている保健センターや移動式診療所で再開するために、ワクチンの補充とコールドチェーン(ワクチンの保冷・輸送システム)の再構築
  • 緊急用医療資材を18カ所の保健センターへ配給
  • 支援を必要とする子どもたちとその家族が心理社会的なケアを受けられるように、移動可能な子どもにやさしい空間を設置し、それらを運営する60人のボランティアに対する研修の実施
  • 子どもたちが少しでも早く勉強に戻れるように、130校舎の修復および「箱の中の学校(教育キット)」と幼稚園キットの配付

ユニセフは、今年末までに、ハリケーンの影響を受けた子どもたちが必要とする、コレラ対策も含めた人道的支援の活動に2,300万米ドル以上を必要としています。このうち、現在までに確保できた資金は600万米ドルに留まっています。

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