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日本ユニセフ協会
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世界的教育危機
学校に通えない子どもと若者、2億6,400万人
これまでの成果と安定を揺るがす事態 国連ハイレベル会合で各国政府支援表明

【2017年9月20日  ニューヨーク発】

本日ニューヨークで開催されたハイレベル会合において、国連事務総長アントニオ・グテーレス、国連副事務総長アミーナ・モハメッド、フランスやノルウェー、マラウイ、セネガルの国家元首、そして世界的な教育指導者たちが、何百万人もの子どもたちが学校に通えず、今までの教育分野での前進を脅かしている世界的な「教育危機」に取り組むことを表明しました。

小・中・高の学齢期の約2億6,400万人、学校に通えず

紛争の爪痕の残る学校に通う生徒たち。 (イラク・ラマーディー)2016年11月撮影

©UNICEF/UN037984/Khuzaie

紛争の爪痕の残る学校に通う生徒たち。 (イラク・ラマーディー)2016年11月撮影

いま世界では子どもと若者の約2億6,400万人*が学校に通っておらず、低所得国では中等レベルの教育を受けている子どもは僅か12人に1人です。世界の最も貧しい国々において、ジェンダー平等を達成するために一定の前進が見られたものの、質の高い教育を受けられない女の子は男の子より遥かに多いのが実情です。

「教育に投資することは、経済開発を推し進め、若者たちのスキル向上と機会創出を促進するために最も費用対効果の高い方法であり、持続可能な開発目標(SDGs)の17の目標のすべてを前進させる鍵となります。教育のために資金を調達することは、私たちができる最前の投資なのです」とグテーレス国連事務総長は述べました。

2017年9月20日に開催された、国連ハイレベル会合の様子。

© UNICEF/UN0124420/Nesbitt

2017年9月20日に開催された、国連ハイレベル会合の様子。

「未来に融資する:教育2030(“Financing the Future: Education 2030”)」は、質の高い乳幼児教育および初等・中等教育を提供するための政治的決意と投資を確かなものにすることを目的に、グローバルな教育機会の資金調達に関する国際委員会(The International Commission on Financing Global Education Opportunity)、教育のためのグローバル・パートナーシップ(Global Partnership for Education)、マララ基金(Malala Fund)、ワン・キャンペーン(ONE Campaign)、ユニセフ(国連児童基金)およびユネスコ(国連教育科学文化機関)の協力のもと、ノルウェー、フランス、マラウイおよびセネガル政府の共催により開催されました。

すべての人に教育を

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©UNICEF Yemen

学用品が詰まったユニセフのスクールバッグを受け取った、イエメンの子どもたち。

「すべて子どもたちとすべての人に教育を提供することが、私たちの時代の人権闘争です。第二次大戦以来最悪の難民危機に直面し、人道支援額の2%未満しか教育に割り当てられていない状況下において、私たちはすべての子どもたち、特に取り残されている難民の子どもたちに教育を提供するための資金を集めることが重要なのです」と国連事務総長特使(グローバル教育担当)であり元英国首相そしてグローバルな教育機会の資金調達に関する国際委員会の委員長であるゴードン・ブラウン氏は述べました。

「緊急時の教育支援に取り組む教育基金、『Education Cannot Wait(教育を後回しにはできない)』への資金提供、強固な教育制度を確立するための教育のためのグローバル・パートナーシップ(Global Partnership for Education)に対する支援、そして中所得国家が困難に陥らないために長期的な資金供与を可能にする『教育のための国際資金調達制度(International Finance Facility for Education)』の確立によって、資金調達ギャップを埋めることが可能になります。私たちが教育目標の達成のために資金を提供することは、子どもを机の前に座らせるだけに留まりません。それは機会と希望を解き放つのです」とブラウン氏は続けました。

マララさん、マズーンさんも教育の大切さを訴え

国連ハイレベル会合で教育の大切さを訴えた、国連ピース・メッセンジャーでもあるマララ・ユスフザイさんと、ユニセフ親善大使のマズーン・メレハンさん。

© UNICEF/UN0124445/Nesbitt

国連ハイレベル会合で教育の大切さを訴えた、国連ピース・メッセンジャーでもあるマララ・ユスフザイさんと、ユニセフ親善大使のマズーン・メレハンさん。

「今日、1億3,000万人の女の子たちが学校に通えていません。それでも彼女たちは、貧困、戦争そして児童婚に立ち向かい学校に行こうとしています。持続可能な開発目標は、私たちが彼女たちと一緒に闘うことを約束しました。その約束はまだ果たせていません。私たちには17の大きな目標があります。しかし、女の子たちに教育を与えなければ、ひとつの目標も達成することはできません。経済を成長させ、私たちが吸う空気をきれいにし、平和を促進し、公衆衛生を前進させたいのであれば、私たちは女の子たちに投資しなければなりません」とマララ基金の共同創設者であり、国連ピース・メッセンジャーでもあるマララ・ユスフザイさんは述べました。

「私たちが今、教育のために行動を起こさなければ、今まで築いてきた成果と安定が脅かされることになり、またさらに多くの子どもたちを貧困と搾取の連鎖に追い込むことになります。私たちは、すべての子どもたちを学校に通わせ学ばせるという使命をあきらめることはできません。この世界があまりに多くのものを失うからです。私たち自身のためにも、次世代のためにも、達成しなければならないなのです」とユニセフ親善大使のマズーン・メレハンさんは述べました。

ハイレベル会合で表明された支援

再建された学校の教室で、笑顔で授業を受ける子どもたち。

© UNICEF Syria/2016/Yasmine Saker

学校の教室で、笑顔で授業を受ける子どもたち。(シリア)

ニューヨークで開催された第72回国連総会に合わせたハイレベル会合で表明された支援は以下の通りです。

  • 欧州連合(EU)は、2018年の人道支援予算のうち、世界平均の6%を大きく上回る8%を緊急時の教育支援に特化させることで、危機下の教育の支援を拡大する。
  • EUは、『Education Cannot Wait(教育を後回しにはできない)基金』に対し、1,320万米ドルの追加資金提供を表明。
  • デンマークは『Education Cannot Wait(教育を後回しにはできない)基金』に対し、1,610万米ドルの資金提供を表明。
  • マララ基金は来年、地域の教育者と活動家への投資を300万米ドル増加させる。
  • 教育のためのグローバル・パートナーシップは、資金調達を増やし、2020年までに、89カ国の子どもたち8億7,000万人を支援するために毎年20億米ドルを提供し活用する。
  • ドバイ・ケア(Dubai Cares)は『Education Cannot Wait(教育を後回しにはできない)基金』に50万米ドルの資金を提供。
  • ヒューレット・パッカードは、インテルと1700のスクール・クラウド(School Clouds)で協力して、2020年までに100万人の生徒を支援。また、『Education Cannot Wait(教育を後回しにはできない)基金』を通して、危機的状況下の国々での技術使用の可能性を模索する。

* * *

*学校に通っていない子ども・若者約2億6,400万人の内訳は、

初等教育学齢期:6,100万人

前期中等教育学齢期:6,200万人

後期中等教育学齢期:1億4,100万人

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