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日本ユニセフ協会
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子どもに対する暴力をなくすために
「ソリューションズ・サミット」参加報告会

【2018年6月13日  東京発】

2018年4月27日、ユニセフハウスで開催された「ソリューションズ・サミット」参加報告会の様子。

©GPeVAC日本フォーラム

2018年4月27日、ユニセフハウスで開催された「ソリューションズ・サミット」参加報告会の様子。

4月27日、ユニセフハウスにおいて、2月に開催された「子どものための2030アジェンダ:ソリューションズ・サミット」*参加報告会を開催。日本から様々な立場でサミットに出席した方々とともに、子どもに対する暴力撤廃に向けて議論を行いました。

*スウェーデン政府、子どもに対する暴力撲滅のためのグローバル・パートナーシップ(GPeVAC)、オンラインの子どもの性的搾取撲滅のためのWePROTECT世界連携の共催により、本年2月14-15日、ストックホルムで開催。

サミットで高く評価された日本の貢献

初めに、会議の動画を交えつつ、ソリューションズ・サミットに参加された堀井学外務大臣政務官による基調講演が行われました。堀井政務官は、サミットで、日本がG7ではじめて「パスファインディング国」となること、「子どもに対する暴力撲滅基金」に拠出すること等を表明したスピーチが、会場の拍手喝さいを受けたことを紹介し、日本のコミットメントが関係者の期待に大きく応えることになった、と述べられました。

堀井学外務大臣政務官

©GPeVAC日本フォーラム

堀井学外務大臣政務官

また、サミットの開催に尽力されたスウェーデンのシルビア王妃の要請により、23日、ユニセフハウスにおいて、日本国内の取り組みを説明する機会があり、王妃からは、日本のコミットメントを高く評価し、両国で連携してこの課題に取り組んでいきたいとのお言葉があったことも紹介されました。

「すべての子どもが暴力のない中で育ち、将来への夢と希望を持てる世界を」

堀井政務官は、パスファインディング国とは、自国内の子どもに対する暴力撲滅に向けて取り組むことにコミットする国、として、今後政府として、市民社会や企業の代表と議論を深めたい、今日の集まりこそがマルチステークホルダーとしての初の集まりとも言える、と述べられました。さらに、「人づくり革命」等の取り組みや、持続可能な開発目標(SDGs)の推進において次世代・女性のエンパワーメントが重点の一つであること等を紹介。最後に、引き続きユニセフ等と協力してGPeVACと連携していく、すべての子どもが暴力のない中で育ち、将来への夢と希望を持てるよりよい世界を築くために貢献していく、と述べ、講演を締めくくられました。

さまざまな参加者の強いコミットメント

続いて、国連広報センターの根本かおる所長がファシリテーターを務め、日本からのサミット参加者によるパネルディスカッションが行われました。

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©GPeVAC日本フォーラム

外務省の杉浦正俊 総合外交政策局人権人道課長

外務省の杉浦正俊 総合外交政策局人権人道課長は、サミットではスウェーデン政府が強いコミットメントを示し、65カ国、8つの国際機関からハイレベルの参加があり、市民社会、企業、子どもも参加しそれぞれ発言したこと、また、途上国からは女性・子ども担当大臣の参加も多く、SDGsの流れもあり先進国も途上国も自分の課題として力を入れている印象だったことなどを紹介しました。

 

 

ワールド・ビジョン・ジャパンの柴田哲子 アドボカシーシニアアドバイザー

©GPeVAC日本フォーラム

ワールド・ビジョン・ジャパンの柴田哲子 アドボカシーシニアアドバイザー

ワールド・ビジョン・ジャパン アドボカシーシニアアドバイザーの柴田哲子さんは、全体の4分の1強が市民社会からの参加者で、様々な議論に参加していたことや、市民社会としての宣言を読み上げたことを報告。また、子どもの代表が様々な場面でスピーチやコメントを行ったことを紹介し、当事者である子どもが、会議の強い推進力として参加していたことが印象的だったと述べました。

多様な関係者が参加した会議の様子を聞いた根本さんは、まさにSDGsが世界レベルの社会契約であることを物語るもので、そのように“みんなが巻き込まれる”会議は、メッセージの定着力も高い、とコメントしました。

 

日本ユニセフ協会専務理事の早水研

©GPeVAC日本フォーラム

日本ユニセフ協会専務理事の早水研

日本ユニセフ協会専務理事の早水研は、シルビア王妃や他の参加者の発言を紹介しながら、子どもへの暴力をなくすためには、まずは政治的意思・コミットメントが必要で、それが社会の規範を変え、最終的に一般の人々の行動変容がおきるという流れが重要であることが、会議のコンセンサスとして確認されたと強調。その流れに則して、協会が長年取り組んできた子どもを性的被害から守る取り組みについても紹介すると、根本さんは、国際レベルの議論と日本の足元のアクションがつながって見えた、と述べました。

 

国連子どもの権利委員会委員の大谷美紀子弁護士

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国連子どもの権利委員会委員の大谷美紀子弁護士

国連子どもの権利委員会委員の大谷美紀子弁護士は、子どもに対する暴力は「減らす」のではなく、関係者全員の努力と協働によって2030年までに「なくす」のだという強いコミットが表れた会議で、まさにソリューションズ=解決策を共有・確認する場となったと報告。子どもの暴力からの保護は子どもの権利条約に書かれながらも、ここまで来るのに長い時間がかかった。世界人権宣言70周年の年の初めに、子どもが恐怖のない環境で育つことの重要性や、そのための具体的行動について関係者が集まって話をしたことの意味は非常に大きかった、と述べました。

インターネット上の子どもの保護、そしてネットの力

警察庁の篠崎ほし江 生活安全局少年課課長補佐

©GPeVAC日本フォーラム

警察庁の篠崎ほし江 生活安全局少年課課長補佐

警察庁の篠崎ほし江 生活安全局少年課課長補佐は、各国の警察担当者や企業、NGO等が参加した、オンラインの子どもの性被害対策に関するワークショップについて報告。この問題に関する社会全体の意識を高めること、子どもには年少時から、また保護者に対しても教育・啓発を行うこと、加害者対策等を行うことが必要であり、そのためには各国で政治的に高いプライオリティを得ることが重要であることが確認された、と述べ、日本でも内閣の重要施策としてこの課題に取り組んでいることを紹介しました。

 

ヤフー株式会社 政策企画本部 政策企画室 野口明香里さん

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ヤフー株式会社 政策企画本部 政策企画室 野口明香里さん

同じセッションに参加したヤフー株式会社の野口明香里さん(政策企画本部 政策企画室)は、同社が中心となって運営するホットライン(セーファーインターネット協会、SIA)の活動を紹介し、ネット上の児童ポルノ画像の削除については海外のホットラインとの協力が重要で、各国関係者とテクニカルな情報交換やネットワーキングできたことが有意義だった、また、会議を通して、子どもに対する暴力を本気でなくそうと思っている関係者のパッションを感じた、と報告しました。

インターネットについては、リスクがある一方で、「誰にも助けを求められず苦しんでいる子どもが、声を上げることができる(野口さん)」、「遠隔地の子どもが教育を受けられる(同)」、「一堂に集まれなくても、子どもが参加する場を提供できる(大谷さん)」等のよい側面があることも確認されました。

連携の枠組み、そして日本の取組の発信

「パスファインディング国」としての今後について問われた杉浦課長は、人権分野で日本が今回のように「最初の国」になることはめずらしいと述べ、日本がリーダーシップをとれるこの分野で、今後、国内の取り組みが進んできている性被害、虐待、いじめ等を含む問題について、関係省庁、市民社会や企業の方々とも連携する枠組みをつくること、予防を含めた関連の取り組みをまとめ国内外に発信していくこと、の二点に言及。また、来年以降日本で開催が続くG20、TICAD等の国際会議の「場の提供者」としての役割を問われ、それらの機会にも子どもや人権に配慮して進めていく、と答えました。

サミットから今後の取り組みへ

国連広報センターの根本かおる所長

©GPeVAC日本フォーラム

国連広報センターの根本かおる所長

パネルディスカッションでは、サミットのサイドイベントで挨拶予定であった参加者が子どもの急病で参加できなくなったことに対して、会場からあたたかい反応があったというエピソードが紹介され、根本さんが、子どもは社会の宝であり、そのような柔軟な社会の受けとめ方が、日本でも、包括的に子どもに対する暴力をなくすことにつながるのでは、とコメントする場面もありました。

最後に、サミットへの参加を今後の取り組みにどのように反映していくのかについて、それぞれ、「海外の先駆的取り組みについての情報収集と国内の取り組みの整理をし、共有していく(柴田さん)」、「子どもの性被害の防止対策について官民連携を推進していく(篠崎さん)」、「発信と共有に力を入れ、解決策の議論にも参加していく(野口さん)」、「先進国におけるデータ収集の強化について検討していく(早水)」、等の発言がありました。

大谷弁護士は、サミットで特に重要な課題とされた、1) 子どもにとっての安全な環境、2) 暴力と貧困の関係、3) デジタル世界、4) 人道的危機、5) データ収集とその効果的活用、6) 子どもの参加の6つ紹介しつつ、これを機に、日本国内の取り組みと国際協力の両方が進むことへの期待を示しました。根本さんは、SDGsゴール16は紛争国でない日本ではイメージしにくいが、その中でターゲット16.2「子どもに対する暴力撤廃」はとてもわかりやすいと述べ、自分にとっての16.2は伝えることであり、その達成に向けて力を合わせていきたい、と会を締めくくりました。

パネルディスカッションでは、サミットでのエピソードも語られました。

©GPeVAC日本フォーラム

パネルディスカッションでは、サミットでのエピソードも語られました。


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