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日本ユニセフ協会
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子どものための世界の再構築を
メンタルヘルス支援、情報格差の解消 ユニセフ事務局長による公開書簡

【2021年2月17日  ニューヨーク発】

世界的なワクチンへの信頼の再構築、若者のメンタルヘルスと福祉の課題への取り組み、差別との闘い、気候変動への取り組み、そしてデジタル・ディバイドの解消は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが国際社会にもたらした、子どもたちのための最大の機会であるとユニセフ(国連児童基金)事務局長のヘンリエッタ・フォアは本日発表した年次公開書簡の中で述べました。

子どもたちにより適した世界を

マスクを着用し、教室の前に立つ小学6年生の女の子。COVID-19の影響で数カ月の間、休校していた学校が再開し、テストを受けることができた。(モーリタニア、2020年9月撮影)

© UNICEF/UNI372363/Pouget

マスクを着用し、教室の前に立つ小学6年生の女の子。COVID-19の影響で数カ月の間、休校していた学校が再開し、テストを受けることができた。(モーリタニア、2020年9月撮影)

ユニセフ創設75周年を記念した世界での活動を開始するにあたり、フォアはこの公開書簡の中で、世界におけるパンデミックとの闘いを続けると同時に、これをパンデミックがもたらした重要な機会と捉え、子どもたちにより適した世界を再構築していく必要性について説明しています。

「ユニセフ創設75周年の年を迎え、私たちは、この組織が第二次世界大戦後の歴史的危機の中で誕生したことを思い出します」とフォアは述べました。「当時、戦争で荒廃した世界で子どもたちが直面している問題の規模の大きさに圧倒されたでしょう。それでも私たちは、再建に向けてできることに取り組み、世界各国に新しい保健福祉システムを構築しました。天然痘を撲滅しました。そして、国連を設立したのです。歴史は再び、私たちにこうした前進を求めているのです」

ワクチンについては、接種への躊躇がCOVID-19を克服する能力に大きな影響を与えると警鐘を鳴らしています。政府、パートナー、ご支援者とともに、世界中でワクチンの調達、輸送、配布を支援している間にも、一般の人々がワクチンを受け入れるためには、ワクチンへの信頼を構築しなければならない、とフォアは書いています。「信頼がなければ、ワクチンは単なる高価な小瓶に過ぎません」(フォア)

子どもや若者の精神保健上の疾患が増加

母親が仕事を失った後、義父からの嫌がらせを受け家庭環境が悪くなったため、家出をした15歳のバリアさん。ユニセフがサポートするヘルプラインに電話をし、助けを求めた。(ウクライナ、2020年11月撮影)

© UNICEF/UN0399563/Filippov

母親が仕事を失った後、義父からの嫌がらせを受け家庭環境が悪くなったため、家出をした15歳のバリアさん。ユニセフがサポートするヘルプラインに電話をし、助けを求めた。(ウクライナ、2020年11月撮影)

メンタルヘルスに関しては、COVID-19により子どもや若者の間で精神保健上の疾患が増えていることを憂慮しており、国際社会にもっと多くの措置をとるよう促しています。「各国はこの問題に相応の投資を行い、コミュニティや学校でのメンタルヘルスサービスや若者へのサポートを大きく拡大し、脆弱な立場に置かれた家庭の子どもたちが家庭で必要なサポートと保護を受けられるように、子育てプログラムを構築しなければなりません」(フォア)

デジタル・ディバイドの解消について、フォアは、世界的なロックダウンがいかにデジタル上の内在する不平等を露呈したかを指摘。2020年の休校措置のピーク時には、世界の学齢期の子どもの約30%が遠隔学習にアクセスできず、質の高い教育を受けられないであろう子どもたちもいました。この書簡では、教育を再構築し、デジタル・ディバイドを解消していくことを求めています。

最後に、この書簡は、この機会がいかに重要なものであるかを指摘しています。「国際社会は、子どもたちへの投資を優先した包括的な復興を促進しなければなりません。今年、ユニセフがすべての子どもたちのために未来を再構築して75周年を迎えるにあたり、私たちは、切迫感をあらためて持って子どもたちと若者のもとに集まり、機会を創造し、彼らの夢を後押しし、人生のあらゆる場面で彼らを支えましょう」(フォア)

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