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日本ユニセフ協会

プレスリリース

ミャンマー地震 1カ月
200万人近くの子どもに支援が必要も
活動資金が圧倒的に不足

2025年4月28日東京

ミャンマー地震の発生から1カ月。日本時間4月28日朝までにユニセフ(国連児童基金)ミャンマー事務所やニューヨークとジュネーブの本部より入電した情報から、抜粋してお届けします。

200万人近くの子どもに支援が必要

マンダレーの仮設キャンプで、ユニセフから受け取った支援物資を抱えて歩く女性。大雨の影響で、キャンプ内は浸水している(ミャンマー、2025年4月16日撮影)

© UNICEF/UNI781794/Htet
マンダレーの仮設キャンプで、ユニセフから受け取った支援物資を抱えて歩く女性。大雨の影響で、キャンプ内は浸水している(ミャンマー、2025年4月16日撮影)

ミャンマー中部でマグニチュード 7.7 の大地震が発生してから 1カ月。マンダレー、ネピドー、サガイン、バゴー東部、シャン南部、カインなど、最も被害の大きかった地域では、630 万人以上(その約 3割 は子ども)が引き続き、緊急の人道支援を必要としています。この数字には、長引く紛争や気候変動、社会不安などで以前から支援を必要としていながら、今回の地震によってさらなる支援が必要となった人々も含まれています。

出産を控えた39歳のこの女性は、ネピドーで被災し、ユニセフから新生児用キットなどの支援物資を受け取った(ミャンマー、2025年4月12日撮影)

© UNICEF/UNI784854/Maung Nyan
出産を控えた39歳のこの女性は、ネピドーで被災し、ユニセフから新生児用キットなどの支援物資を受け取った(ミャンマー、2025年4月12日撮影)

中でも、最も大きな影響を受けているのは子どもたち。その数は、200万人近くにも上ると見込まれています。多くの子どもたちが、大切な家族や友人をなくし、養育者と離ればなれになり、保健医療や教育などの必要不可欠なサービスの崩壊に直面しています。今回の地震がもたらした被害は、長引く紛争や気候変動がもたらした自然災害、それらの危機から強いられた避難生活や経済危機等、既に多くの苦難に次々に遭遇してきた子どもたちに、追い打ちをかけています。

これまでに確認された犠牲者は3,700 人以上。5,000 人以上が負傷したと報告されており、その多くは子どもたちです。今もなお、瓦礫の中から遺体が運び出されており、依然として多くの子どもの行方がわかっていません。保護者と離ればなれの状態に置かれた子や、強い精神的ショックを受けている子どもも少なくありません。

サガイン郡の仮設キャンプで、支援物資を受け取るための列に並ぶ女の子(ミャンマー、2025年4月8日撮影)

© UNICEF/UNI779262/Htet
サガイン郡の仮設キャンプで、支援物資を受け取るための列に並ぶ女の子(ミャンマー、2025年4月8日撮影)

本震に続き、これまで 150 回以上も続く余震は、震災前すでに全土で650万人以上の子どもが人道支援を必要としていた危機をさらに悪化させました。

発生から1カ月が過ぎた現在も、何千人もの子どもやその家族が、清潔で安全な水や、保健ケア、教育へのアクセスが制限された、過密状態の仮設の避難所で暮らしています。いまだに頻繁に発生する余震が、紛争や不安定な状況によって不安に包まれていた子どもたちの心にさらなる恐怖を植え付け、トラウマを深めています。

雨季が到来した被災地の状況は、急速に悪化しています。子どもたちは、感染症やさらなる避難のリスクにもさらされています。

 

活動資金が圧倒的に不足

ユニセフは、従来の緊急人道支援ニーズと、今回の地震によって生じたニーズに対応するための活動資金として、3億1,400万米ドル以上を必要としています。この金額は、今後の支援ニーズがさらに明らかになり、かつ被災地の状況が変化する中で増加することも予想されます。にもかかわらず、これまでに確保できた資金は総額の10%にも及びません。

「(気温)40度を超える暑い季節に入り、避難生活を送る子どもたちの心のケアもさらに大切になってきました」「みなさまの引き続きのご支援、どうぞよろしくお願いいたします」(ユニセフ・ミャンマー事務所 三田みちる)

 

 

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