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ストーリー

パレスチナ・ガザ地区
避難する家族に安全な水を届ける
ユニセフの命を守る支援

2026年5月12日パレスチナ

©UNICEF-SoP/Eyad el-Baba/2026/

2023年10月に戦闘が激化し、戦争下の2年間あまりで、住宅やインフラが破壊しつくされたガザ地区では、何万もの家族が、壊れやすい簡易テントでの生活を余儀なくされています。水道水を使うことができる家庭はほとんどなく、冬に起きる洪水や、戦争で散乱した瓦礫の影響で、細菌やネズミが増えやすい環境が生まれているのです。その結果、A型肝炎や、急性水様性下痢症が広がりやすくなり、家族の健康を脅かしています。特に命の危機にさらされるのが、幼い子どもたちです。

「安全な水のない生活は本当に耐えがたい」 

8人の子どもを育てるラティファさんが、ユニセフが提供した容器を使って、ガザ中部・ザワイダの仮設テントまで水を運ぶ様子。(パレスチナ、2026年撮影)

©UNICEF-SoP/Eyad el-Baba/2026/
8人の子どもを育てるラティファさんが、ユニセフが提供した容器を使って、ガザ中部・ザワイダの仮設テントまで水を運ぶ様子。(パレスチナ、2026年撮影)

ユニセフとパートナー団体は、ガザ市内とガザ地区中部・北部地域で、60万人以上の子どもたちを含む160万人以上の人々に、命を守るために欠かせない安全な水を届けています。この支援には主に、テントが密集する地域への給水タンクの設置や、民間の海水淡水化施設や家庭用井戸から汲み上げた水を、2日おきにこれらのタンクへ運搬する活動が含まれます。さらに、家族が安全に水を運べるよう、衛生キットの一部として清潔な容器も配布しています。

「給水タンクが設置される前は、水を手に入れるために非常に長い距離を歩かないといけませんでした。体調が優れていないときさえもです。」

戦争で夫を亡くし、8人の子どもを育てるラティファさんは語ります。「飲み水や洗い物をするのに必要な量の水を持って家に戻るころには、すっかり疲れ果てていました。」

ガザのテント村で、ユニセフの給水地点から汲んだ水を運ぶ男の子。200万人あまりの避難民が、最低限の生活を維持するために、安全で飲める水を求めている。(パレスチナ、2026年撮影)

©UNICEF-SoP/Eyad el-Baba/2026/
ガザのテント村で、ユニセフの給水地点から汲んだ水を運ぶ男の子。200万人あまりの避難民が、最低限の生活を維持するために、安全で飲める水を求めている。(パレスチナ、2026年撮影)

ラティファさんと彼女の家族も、ガザ地区の多くの人々と同様、数回にわたってガザ市東部のシュジャイヤにあった元の家から避難を繰り返してきました。現在、彼女はガザ中部のザワイダの仮設テントに身を寄せています。「水は本当に少なく、ときにはそのわずかな水でさえ安全でないこともありました。そんな状況では、子どもたちや病気の人々が深刻な危険にさらされてしまうのです。」

ラティファさんの家のそばに給水タンクが設置されたことにより、彼女の水くみの負担は大きく軽減され、大家族を支えるうえで重要な他の家事に集中できるようになりました。「キャンプにはもっとたくさんの給水タンクが必要です。安全な水のない生活は本当に耐えがたいものです」と、ラティファさんは訴えます。

 

 

安全な水を届ける

ユニセフが配布した衛生キットを受け取る男性。キットには、体を洗ったり、清潔な水を確保したりするための必需品が入っている。(パレスチナ、2026年撮影)

©UNICEF-SoP/2026/
ユニセフが配布した衛生キットを受け取る男性。キットには、体を洗ったり、清潔な水を確保したりするための必需品が入っている。(パレスチナ、2026年撮影)

ユニセフは、厳しい状況の中でもなんとか、ガザの家族に安全な水を届けることに力を尽くしています。それは、最低限の人道的基準を満たす量で、1人当たり1日6リットルの生活用水(手洗いや洗浄用)と、9リットルの飲み水です。

命を守る水と衛生プログラムでは、緊急時の給水サービスだけでなく、必要不可欠な衛生用品の配布も行っており、ガザ地区の南部・中部では20万人以上が支援を受けています。

ガザ地区の北部・南部では、2,000リットルの給水タンク200個と、1,000リットルの給水タンク300個が、地域の避難所や医療施設、学習スペースに設置され、約11万6,000人の人々が安全な水を使えるようになりました。さらに、1万7,000個もの衛生キットも配布され、約10万6,000人の生活を支えています。

「避難した後、きれいな水を探すことが一番大変だったの」と、12歳の女の子、ファティマさんは話します。彼女の家族は、自宅が空爆で破壊されたため、ジャバリヤ難民キャンプを離れなければならなかったのです。今はガザ中部に位置するデルバラハの仮設テントで暮らしています。

「前は、家族が使う水を確保するために、お父さんが遠くまで歩いて行っていました。安全な水じゃないって分かっていても、その水を使わないといけないことも何度かありました」とファティマさんは続けます。

しかし、家のそばに給水タンクが設置されたことで、飲み水を確保するための負担は大きく軽減されました。水汲みの仕事は子どもが担うことも多いため、タンクが近くて安全な場所にあることは非常に大切です。「今は私も家族の水汲みにお手伝いに行けます」とファティマさんは話します。「そして、近くに安全な水があると思うと、少し安心できるの。」

12歳のファティマさん。家族と暮らすデイル・アル=バラフのテント付近にユニセフが設置・支給をした、給水タンクの前での一枚。(パレスチナ、2026年撮影)

©UNICEF-SoP/Eyad el-Baba/2026/
12歳のファティマさん。家族と暮らすデイル・アル=バラフのテント付近にユニセフが設置・支給をした、給水タンクの前での一枚。(パレスチナ、2026年撮影)

 

 

 

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