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日本ユニセフ協会
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中東・北アフリカ
学校再開を、歌のメッセージ すべての子どもが学習を続けられるように

【2020年10月8日  アンマン(ヨルダン)発】

中東・北アフリカ地域で活動するユニセフ(国連児童基金)など国連機関は本日、地域のすべての子どもと若者が学校に戻れるよう、学ぶ喜びを表現した歌「学校が戻ってきた」(原題:Rej'et El Sineh、英題:Learning is Back)を発表しました。

学校再開を、歌のメッセージ

学校再開初日、教室で嬉しそうな顔を見せる6歳のファヘドくん。(ヨルダン、2020年9月1日撮影)

© UNICEF/UNI365399/

学校再開初日、教室で嬉しそうな顔を見せる6歳のファヘドくん。(ヨルダン、2020年9月1日撮影)

音楽を通じて、地域社会に力強いメッセージを伝えることができます。歌は、子どもたちを楽しませるだけでなく、教育目的としての教材にもなります。このプロジェクトは、国連機関の地域共同行動計画の一環として実施されるもので、すべての子どもたちが家庭でも学校でも、安全な環境で学び続けることができる政策や戦略を実施するために、地域の国々を支援するものです。国連機関は、子ども、保護者や教師に向けて、学校や学習の再開に向けた動きを広めるためのメッセージと、信頼できる情報を届けることを目指しています。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の大流行を背景にした休校やロックダウンによって、中東と北アフリカの子どもと若者約1億1,000万人の教育が中断されました。さまざまな対策がなされたにもかかわらず、多くの子どもたちが今も学習に後れをとっています。依然として、インターネット、電気、電子機器への適切なアクセスが課題であり、紙の教材を含むオフラインでの代替手段が引き続き求められています。

経済状況の悪化により生活困窮に陥ると、不利な立場に置かれた家族、特に難民の家族が子どもたちを学校に戻すことができないおそれがあります。世界的に見ても、難民の女の子の半数近くが中途退学の危険にさらされています。中東・北アフリカ地域では、少なくとも130万人の子どもたちが学校に戻れないリスクがあります。COVID-19の危機は、教育部門に割り当てられた資源と予算を脅かすことにもなるでしょう。

すべての子どもが学習を続けられるように

アンマンの学校でマスクをつけて授業を受ける女の子たち。(ヨルダン、2020年8月31日撮影)

© UNICEF/UNI364477/

アンマンの学校でマスクをつけて授業を受ける女の子たち。(ヨルダン、2020年8月31日撮影)

この歌は、多くの障壁があっても、子どもたちが学習を続けられるようにすることの大切さを訴えると同時に、教育施設を再開するにあたり、必要な公衆衛生対策をとることの重要性を強調しています。また、ミュージックビデオでは、学校を安全に再開するためのガイドラインについても表現しています。具体的には、人との距離を保つこと、必要に応じてマスクを着用すること、手を洗うこと、衛生的な環境を維持することなどが含まれています。また、学校での対面学習と自宅での遠隔学習を組み合わせた学習も描いています。

この曲は、1976年に作られた曲をもとに新たにアレンジしたものです。昨年、ユニセフは、世界的に有名な作曲家エリアス・ラバーニ(Elias Rahbani)氏の作曲した歌をもとに、子どもの歌のアルバム「11」を制作しました。

2020年-2021年の新学年度が特異な状況で始まる中、各国連機関は、SDGs(持続可能な開発目標)目標4に沿った、質の高い、包括的で公平な教育の継続に向けて、学校を再開するためのガイドライン等を通じて今後も各国政府をサポートしていきます。

COVID-19の危機の下、教育やその他の基本的なサービスへのアクセスを確保することは、すべての子どもと若者、特に最も不利な立場に置かれた人々にとって重要であり、それは私たちの未来を守ることにつながります。

 

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■ アルバム「11」について

ユニセフは、欧州連合(EU)の支援を受け、著名なレバノン人作曲家ジアド・ラバーニ氏の協力のもと、中東地域で愛されている子どもの歌を集めたアルバム「11」を制作しました。ラバーニ氏がアレンジした歌を、シリア、レバノン、ヨルダン、およびトルコの子どもたちが歌いました。アルバムに含まれているのは、世界的に有名な作曲家エリアス・ラバーニ氏がレバノン戦争中の1976年に作詞・作曲し、地域で愛され続けている歌です。アルバム「11」はこちらよりお聴きいただけます。

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