【2021年2月9日 ニューヨーク発】
ユニセフ(国連児童基金)事務局長のヘンリエッタ・フォアは、2月9日のセーファーインターネットデーに際して、高まる子どもたちのオンラインリスクについて以下の声明を発表しました。
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© UNICEF/UN0391461/Khaliduzzaman |
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が続く中、何百万人もの子どもや若者の生活は、家庭とスクリーン上だけに縮小されています。多くの人にとって、オンラインでいることが、遊び、人とつながり、学習するための唯一の方法となりました。
テクノロジーやデジタルソリューションは、子どもたちに学習や娯楽、つながりを維持するための重要な機会を提供していますが、これらのツールは、子どもたちが無数のリスクに晒される機会を増やしている可能性もあります。COVID-19のパンデミック以前から、オンラインでの性的搾取、有害なコンテンツ、誤った情報、ネットいじめなどはすべて、子どもたちの権利、安全、精神的な健康を脅かしていました。
オンラインでもオフラインでも、すでに被害を受けたり傷ついたりしている子どもたちにとっては、画面を見ている時間(スクリーンタイム)の増加によって苦しみが増している可能性があります。学校の休校、物理的な距離を保つこと、支援やサービスの減少、そしてすでに脆弱な家庭への負担の増加は、子どもたちのための保護手段の一部を中断させ、減少させました。
同時に、子どもたちの心身の健康に対する懸念も高まっています。オンラインでの時間の増加が、屋外での活動の減少、睡眠の質の低下、不安症状の増加、不健康な食習慣につながっていることを示唆する証拠もあります。
© UNICEF/UN0361921/ |
パンデミックが2年目に入った今、インターネットとテクノロジーは、何百万人もの子どもたちの生活により重要な役割を果たし続けることは間違いありません。今年のセーファーインターネットデーは、子どもたちの身体的、精神的な幸福が優先され守られる、子どもたちのためのより安全なオンラインの世界を再構築する機会となります。例えば、
子どもや若者にとって、COVID-19後のより優しく、よりつながりのある世界に備えることは、オンラインとオフラインの世界のバランスをとり、周囲の人々との安全でポジティブな関係を育み、必要なサポートを利用できるようにすることを意味します。
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■ 日本ユニセフ協会の取り組み-日本の子どもの声を世界に
(公財)日本ユニセフ協会は、一般社団法人ソーシャルメディア研究会の協力を得て、2019年10月から2020年3月にかけて、全国5カ所でユニセフ「子どもスマホサミット」を開催しました。合計で約180人の中高生が参加し、ネット依存、ネットでの出会い、ネットいじめ、ネットの信頼性をテーマに、安全なデジタル世界をつくるために、おとなは何をするべきか、子どもには何ができるのかを熱心に話し合いました。
このサミットを通じて集まった中高生の提言をとりまとめ、2020年11月15日、国連子どもの権利委員会がデジタル世界における子どもの権利の保護と推進の取り組みを、各国に働きかけるために作成を進めている「一般的意見25:デジタル環境に関する子どもの権利」に対する意見(パブリックコメント)として提出しました。子どもたちの提言の概要やパブリックコメント全文もご覧いただけます。
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