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日本ユニセフ協会
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新型コロナウイルス
親を亡くした子どもへのケアに懸念 事務局長声明

【2021年7月19日  ニューヨーク発】

ユニセフ事務局長ヘンリエッタ・フォアは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチンの公平なアクセスの実現について、以下の声明を発表しました。

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親を亡くした子どものケアに懸念

ボリバル州にあるユニセフが支援する保護センターで、アートセラピーに参加する6歳のホセくん。(ベネズエラ、2020年7月撮影)

© UNICEF/UNI356874/Urdaneta

ボリバル州にあるユニセフが支援する保護センターで、アートセラピーに参加する6歳のホセくん。(ベネズエラ、2020年7月撮影)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による公式死者数は、今月初めに世界で400万人を超えました。ユニセフ(国連児童基金)は、片方もしくは両方の親を失った子どもたちへの懸念を強めています。

あらゆる危機やパンデミックにおいてそうであるように、最も弱い立場にある子どもたちは、親の死亡、重篤な病気、経済的困難などにより、親による養育を受けられなくなる可能性が高まっています。その結果、不適切な代替ケアに委ねられるリスクも増大します。

パンデミックの影響で孤児になったり置き去りにされたりしている子どもの数を見積もるのは時期尚早ですが、死亡者が急増している国があるということは、COVID-19の影響を受けやすい多くの子どもたちが、さらなる精神的苦痛や保護の問題に直面していることを意味しています。

一家離散や不適切な代替ケア、特に施設でのケアがもたらす直接的・長期的なダメージはよく知られています。子どもたちは、強制的な共同生活や、個々のニーズに合わない固定的な日常生活を経験することがありますし、また自分の最善の利益にかなう選択をする能力を奪われることも多いのです。

安全に成長する権利を

マハラシュトラ州の小学校にいる子どもたち。ユニセフは子どもが家族と引き離されないようにするため家族との強化、施設や里親などの支援をしている。(インド、2020年10月撮影)

© UNICEF/UN0382202/Singh

マハラシュトラ州の小学校にいる子どもたち。ユニセフは子どもが家族と引き離されないようにするため家族との強化、施設や里親などの支援をしている。(インド、2020年10月撮影)

さらに、代替ケアを受けている子どもたちは、家族や地域社会から常に切り離されています。親からのケアを受けられず、身体的、心理的、感情的、社会的に我慢を強いられ、その影響は一生続くことになります。また、こうした子どもたちは、暴力、虐待、ネグレクト、搾取などを経験する可能性が高いと言われています。

このような子どもたちの危機を未然に防ぎ、直ちにかつ長期的に対応するためには、政府が家族に対して精神的、実務的、経済的な支援を行うことが不可欠です。同時に、親のケアを受けられない子どもたちが、不適切な代替施設に預けられることなく、親類などが面倒を見ることができるようなシステムを支援することにも努めなければなりません。たとえば、

  • 家族が社会的保護、カウンセリング、保健・医療を継続的に受けられるようにすること
  • 厳しい状況にある子どもと家族のために、社会サービスの労働力を含む子どもの保護サービスを強化すること
  • どのような状況下でも養育者が子どもの世話をできるような「家族にやさしい政策」を雇用者とともに推進すること
  • 学校やその他の子ども向けサービスを、誰もが利用しやすくすること

COVID-19が家族やコミュニティに壊滅的な打撃を与え続ける中、すべての子どもが身体的、心理的、社会的、感情的な発達を支える環境の中で暮らし成長する権利を、守らなければなりません。

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