2024年9月30日ニューヨーク発
ユニセフ(国連児童基金)事務局長のキャサリン・ラッセルは、緊迫化するレバノン情勢について、以下の声明を発表しました。
避難する子ども30万人以上
レバノンの人道状況が急速に悪化していることを深く憂慮しています。先週だけで、少なくとも80人の子どもが攻撃により命を落とし、負傷者は数百人に上ると報告されています。
レバノン政府は、暴力により避難を余儀なくされた人の数は100万人以上に急増しているとも報告。そのうち30万人以上が子どもたちです。
今、何千人もの子どもや家族が路上や避難所で過ごしています。多くの人々は、最低限の必需品や身の回りの物を持ち出すこともできずに家を飛び出しました。人道状況は刻一刻と悪化しています。
ユニセフ、命を守る支援を提供
ユニセフは、さまざまな人道支援団体と共に国内各地で、子どもとその家族に必要不可欠な支援を届けています。
飲料水、医療用品、マットレスや毛布、衛生キットに加え、生理用品や、赤ちゃんのニーズに特化した支援キットなどを配布しています。
また、子どもたちの健康と栄養や子どもの保護に関する支援、および心理社会的サポートも提供しています。
しかし、(紛争という形態の)暴力が激化するにつれ、人道ニーズも高まっています。もし今後、地上侵攻などこれ以上事態が深刻化することがあれば、子どもたちにとって既に悲惨な状況がさらに悪化することになります。このような展開は、何としても回避しなければなりません。
ユニセフは、引き続き、戦闘行為を直ちに停止するよう訴えます。私たちは、すべての当事者に対し、子どもたちと非軍事的な社会インフラを守り、人道支援活動に従事する者が支援を必要とするすべての人々の元に安全に到達できるようにすることを、あらためて求めます。これは、(すべての紛争当事者に課せられた)国際人道法に基づく義務です。