2025年9月3日カブール(アフガニスタン)発
アフガニスタン東部ナンガルハール県を震源とする大きな地震が、現地時間の8月31日深夜に発生し、多くの子どもを含む多数の犠牲者と被災者が出ています。

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地震により倒壊した、クナール県の自宅前に立つ男の子(アフガニスタン、2025年9月2日撮影)
ユニセフ、緊急支援チームを現地に派遣

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マグニチュード6.0の強い地震により、多くの家屋が倒壊したクナール県にある村の様子(アフガニスタン、2025年9月2日撮影)
震源に近いジャララバード近郊では広範囲に被害が及び、多くの子どもを含む多数の犠牲者と負傷者が報告されています。9月3日時点で、死者1,400人以上、負傷者3,500人以上が、事実上の当局によって確認されており、子ども26万3,000人を含む約49万7,000人が被災していると推定されています。家屋の全半壊は5,000棟以上に上り、アクセスが困難な地域も多く残されています。
ユニセフ(国連児童基金)は、生存率や支援活動の成果に最も影響を与える災害発生直後の最初の72時間に、緊急支援チームを現地に派遣し、現地当局や他の国連機関と連携しながら、保健・栄養、水と衛生、子どもの保護、教育、心のケアなど幅広い支援活動を展開しています。以下は、具体的な支援例です。

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コペンハーゲンにあるユニセフ物資供給センターで、アフガニスタン地震への緊急支援物資を準備するユニセフの職員(デンマーク、2025年9月2日撮影)
保健・栄養:ユニセフが支援する25以上の保健・医療施設で、負傷者2,500人近くの治療と300件以上の手術を実施。救急車35台が24時間体制で稼働し、移動式チームによる治療や栄養スクリーニングも進行中。ナンガルハール県には、栄養補助食3,000カートンと栄養治療食1,000カートンが届けられ、乳児用ミルクの調達も進めています。さらに、50万個の石けんと2万枚のベビー毛布の配布を予定しています。
水と衛生(WASH):安全な飲み水の確保と衛生支援に重点を置いた緊急支援を実施。クナール県では家庭用の衛生キット400セットと浄水剤50箱を配布しています。さらに4万個の給水タンクや3,000セットの衛生キットを順次投入予定です。現地では衛生習慣の啓発活動も展開されています。
子どもの保護:子どもに安全な居場所を提供し、心のケアを行うため、10人のソーシャルワーカーを被災地に配置し、子どもにやさしい空間の設置を開始しています。また、離ればなれになった子どもの家族再会支援や一時的保護も進めています。ジャララバード病院では、保護者の付き添いがない23人の子どもを保護し、そのうち16人が家族と再会できました。
教育:高性能テント917張を用いた、仮設学習スペースの設置を予定。その他、教材も提供し、子どもたちの学びの継続を確保します。
社会的保護:最も脆弱な世帯の生活再建を支援するため、人道的現金給付を提供する予定です。最も被害が大きい地域の1,600世帯以上を対象に、段階的に現金給付を行う準備をしています。
冬期対策:調理器具や防水シートを含む家庭用キット、5,000セットの防寒衣料や毛布を備蓄し、山間部の被災地に向けた配布を準備しています。
130トン以上の人道支援物資を被災地へ

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コペンハーゲンにあるユニセフ物資供給センター。アフガニスタンへの緊急支援物資の発送を準備している(デンマーク、2025年9月2日撮影)
また、デンマーク・コペンハーゲンにある、ユニセフ物資供給センターからは緊急物資が空輸されており、4日と5日に到着予定の2便で合計130トン以上の人道支援物資が被災地に届けられます。これらの物資には、医薬品、衛生用品、防寒具、テントなど、被災した子どもや家族が直ちに必要とする生活必需品が含まれています。
状況は刻々と変化しており、ユニセフは被災した地域社会を支えるため、人道支援をさらに拡大していきます。
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ユニセフ「自然災害緊急募金」ご協力のお願い
地震や津波、洪水、台風やサイクロン、干ばつなどの自然災害に苦しむ子どもたちのために、ユニセフは緊急支援を行っています。その活動を支えるため、(公財)日本ユニセフ協会は、ユニセフ「自然災害緊急募金」を受け付けています。アフガニスタン東部で発生した地震の影響を受けた子どもを含む、最も支援を必要としている子どもたちとその家族に支援を届けるため、ご協力をお願い申し上げます。


























