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プレスリリース

ユニセフ気候変動アクション2025
環境省・経団連に、学生たちが「🌸桜宣言🌸」を届けました!

2025年11月20日東京

「気候変動は子どもの権利の危機」と訴えるユニセフ(国連児童基金)が展開するグローバルキャンペーンの一環として、日本ユニセフ協会は子どもや若者が気候変動を学び、考え、声を上げるためのプロジェクト「ユニセフ気候変動アクション2025」を展開しています。

国連気候変動枠組条約第30回締約国会議(COP30)開催を控えた11月5日(水)、「ユニセフ気候変動アクション2025」に311人の子どもや若者から寄せられた声をまとめた「🌸桜宣言🌸~私たちの気候変動アクション」を、高校生・大学生の代表10名が環境省と日本経済団体連合会(経団連)に届けました。実際にCOP30に参加される環境省と経団連の皆さんに宣言に込めた思いを伝え、闊達な意見交換を行いました。

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環境省で高校生・大学生たちを出迎えたのは、土居健太郎 地球環境審議官。「桜宣言」について報告を受けたのちに話される中で、日本政府が環境問題対策のひとつである「技術開発の支援拡充」の事例を紹介。宅配業者によるEV車両の導入が輸送業界の人材不足対策にもなっている事例をあげ、環境問題対策と企業が抱える課題に応える対策を組み合わせることで、企業が気候変動問題に取り組みやすい形をつくることの大切さを語られました。また「桜宣言をしっかり読み込んで、COP30での議論に望みます。また終了後は、ユニセフさんを通じて、その結果も皆さんに報告します」と話され、若者たちの今後の取り組みに期待を寄せられました。

土居地球環境審議官と意見交換をする高校生・大学生たち(東京・環境省、2025年11月5日撮影)

©日本ユニセフ協会/2025
土居地球環境審議官と意見交換をする高校生・大学生たち(東京・環境省、2025年11月5日撮影)

土居地球環境審議官と写真撮影をする高校生・大学生たち(東京・環境省、2025年11月5日撮影)

©日本ユニセフ協会/2025
土居地球環境審議官と写真撮影をする高校生・大学生たち(東京・環境省、2025年11月5日撮影)

 

続いて経団連では、環境委員会地球温暖化対策ワーキンググループの饗場崇夫 副座長を訪問。饗場副座長は、日本の二酸化炭素排出は世界の約3%程度しかないだけでなく、海外生産品を私たちの日々の生活で消費することが多く、その生産過程で二酸化炭素が出ていることを踏まえ、諸外国における排出削減に目を向けることの重要性を説明。そのうえで「桜宣言」に書かれた「意見の共有」に触れつつ、気候変動問題を解決するうえで、世界のさまざまな人たちと意見を交換することが大切であると強調されました。

「気候変動問題に取り組むことによって仕事を失うなどのネガティブな影響を受けることもあるのでは?」という主旨の生徒の質問に対して饗場副座長は、国連が提唱する「Just Transition(公正な移行)」という考え方を紹介。気候変動対策を進める中で、誰一人取り残さず、公平かつ包摂的に社会・経済を持続可能な形へと移行する重要性を説明されました。また「将来はわれわれの仲間になってくれるとありがたい」と、訪問した高校生・大学生たちにエールを送られました。

饗場副座長に「桜宣言」を手交する若者たち(東京・経団連会館、2025年11月5日撮影)

©日本ユニセフ協会/2025
饗場副座長に「桜宣言」を手交する若者たち(東京・経団連会館、2025年11月5日撮影)

若者たちと話す経団連の皆さん (東京・経団連会館、2025年11月5日撮影) 

©日本ユニセフ協会/2025
若者たちと話す経団連の皆さん (東京・経団連会館、2025年11月5日撮影) 

“未来”ではなく、“今”を生きる私たちの問題として

今回、当初予定の15分を大幅に超える時間を割いて、若者たちの声に真摯に耳を傾けられた環境省の土居地球環境審議官と経団連の饗場副座長。訪問を終えた高校生・大学生からも、次のような感想が寄せられました。

「宣言の説明をする際緊張しましたが、皆さまには真摯にご対応いただき、たくさんの質問にも回答をしてくださり、桜宣言をお届けするだけでなく学びもとても多い1日でした。今後は『お届けして終わり』とならないように、私が所属するユニセフキャンパスなども通じて桜宣言や気候変動対策への取り組みを広めていきたいと思います」

「環境省・経団連の方々は、桜宣言を熱心に見ていらっしゃって、それを元にCOP30で各国と議論するとおっしゃっていたため、私たちの提言書で政策であったり、予算の使い方であったり、社会が気候変動解決に向けて少しでも変われば嬉しいなと思いました」

「環境省でのお話の際に、コンタクトレンズのリサイクルされている割合の低さのお話がとても印象に残っています。私は学校で環境問題について考えている団体に所属しており、活動内で使用済みカイロの回収やおくすりシート(錠剤のおくすり)、文房具回収を行なっています。そうした活動も環境意識を高めるためにも、引き続き続けていきたいです」

 

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ユニセフは、近年のCOPをはじめとする国際会議に世界の子ども・若者たちの声を届けるとともに、各国政府に「子どもの視点」に立った気候変動対策の立案と実施を訴えています。

COP30は、11月10日から11月21日まで、ブラジルのベレンで開催。COP30においても、「子ども」に焦点を当てる取り組みの一環として、派遣されるユニセフの代表団へ「桜宣言」は共有されており、ユニセフの国連内外の働きかけ・発信に活用される予定です。

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タイトル「桜宣言」に込めた思い

日本の多くの地域で、かつて、「入学式」を飾っていた「桜」は、近年、「卒業式」を彩る花になりつつあります。老若男女、誰からも愛される日本の象徴「桜」も、私たちに警鐘を鳴らしています。本宣言文が、気候変動問題について日本の子どもと若者がまとめたものであることを表すため、「🌸桜宣言🌸」と命名しました。

※桜宣言の全文は、こちらをご覧ください。
※成文化作業の様子や、提言書のもととなった311件の意見などの詳細は、こちらをご覧ください。

 

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