2026年2月4日ジュネーブ/ニューヨーク発
ユニセフ(国連児童基金)、Gaviワクチンアライアンス、世界保健機関(WHO)は本日4日、コレラワクチンの世界的供給量が持ち直し、3年以上滞っていた命を守るための集団予防接種事業が再開できる水準に達したと発表しました。

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コレラの経口ワクチン投与を受ける男の子。コレラ流行予防のため、洪水の被災地域で集団予防接種が実施された(モザンビーク、2026年2月4日撮影)
感染拡大の3カ国で予防接種再開

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コレラの予防接種を受けるために集まった人々。移動式保健チームにより、遠隔地のコミュニティでもワクチン接種が行われている(モザンビーク、2026年2月4日撮影)
世界的にコレラ症例が急増したことで、経口コレラワクチン(OCV)の需要が高まり在庫不足に陥ったため、2022年に予防接種事業が中断されていました。モザンビークはその実施を再開する最初の国となります。
モザンビークの集団予防接種は、現在も続くコレラ流行と、70万人以上が被災し多数が避難を余儀なくされた大洪水の影響が残る中で開始されます。洪水によって保健システムが機能しなくなり、水道システムが損傷したことで、コレラなどの水系感染症リスクが一段と高まっています。
集団予防接種の実施のため、初回の2,000万回分のワクチンの配布が始まっています。その内訳として、360万回分がモザンビークに、610万回分が同じく深刻な集団感染に見舞われているコンゴ民主共和国に、そして1,030万回分がバングラデシュに割り当てられます。
パートナーシップにより実現

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コレラワクチンを接種した子どもたち。1歳以上のすべての人が接種対象 (モザンビーク、2026年2月4日撮影)
国際機関、製造業者、パートナー団体による継続的な取り組みにより、経口コレラワクチンの年間供給量は、2022年の3,500万回分から2025年には約7,000万回分へと倍増しました。これらのワクチンはGaviワクチンアライアンスが資金を拠出し、ユニセフが調達と各国への配送を担っています。
ユニセフ事務局長のキャサリン・ラッセルは次のように述べています。「ワクチンの供給量が増えたことで、数年ぶりに、より効果的に大規模なコレラ緊急事態を予防できるようになります。予防的なコレラワクチン接種の再開は子どもを守り、この極めて感染力の強い疾病の封じ込めに貢献します。ただし、安全な水が利用できる環境や基本的な衛生設備の整備など、その他の取り組みと並行して進める必要があります」。
集団予防接種に用いるコレラワクチンが体系的、公平かつ透明性をもって配布されることを担保するため、50以上の組織からなるパートナーシップである「コレラの感染制御のための世界対策・専門会議(GTFCC)」が定めた配分基準に基づき、上記3カ国が選定されました。
予防接種の再開は、支援機関、ワクチン製造業者、その他のパートナー団体の長年にわたる持続的な取り組みと緊密な連携によって実現しました。これにより、集団感染への対応、生産能力の拡大、分配の効率化といった、対応が強く求められてきた課題に応えつつ、量に限りのあるワクチンが公衆衛生上のリスクと影響が最も大きい地域に確実に届くことを担保しています。
経口コレラワクチンは安全性と有効性が確認されており、満1歳以上の人々への接種が推奨されています。1回の接種で少なくとも6カ月間の短期的な予防効果が得られ、集団感染の抑制に寄与します。2回接種をすると、3年間という長期にわたる感染予防効果が期待できます。
世界的なワクチンの供給が着実に改善しているものの、集団感染への対応では引き続き1回接種が標準となります。一方で、2回接種の実施については、状況に応じて個別に判断されます。
感染拡大が止まらないコレラ
コレラは、汚染された水や食品を介して感染し、重度の下痢症や脱水症状を引き起こす疾患です。速やかに治療が行われない場合、命に関わる可能性があります。安全な飲み水や衛生設備が十分に確保されていない地域、特に紛争や貧困の影響を受けている地域で発生しています。
昨年、33カ国からWHOに報告されたコレラまたは急性水様性下痢症の症例数は60万件以上、死者数は約7,600人に上りました。ただし、コレラはいまだに発生状況が十分に把握されていないため、実際の症例数はこれを上回ると考えられます。2021年以降、世界のコレラ症例数は年々増加していましたが、2025年には減少が確認されました。しかし、同期間におけるコレラによる死者数は増加を続けています。
コレラの予防と対応において、予防接種はその一側面にすぎません。集団感染の防止と拡大の阻止、そして長期的に死亡を減らすためには、安全な水や衛生設備、衛生習慣の基盤整備に加え、疾病監視、迅速な治療、コミュニティとの連携といった取り組みに、継続的に投資することが不可欠です。




























