2026年4月28日カブール/フィレンツェ/ニューヨーク発
ユニセフ(国連児童基金)の新たな分析によると、女子中等教育や女性の就労に対する制限が続く中、アフガニスタンでは2030年までに最大2万人の女性教員と5,400人の女性の保健医療従事者を失う恐れがあります。

© UNICEF/UNI955584/Khayyam
「人を治すために、医師になりたい」と話す18歳のスラヤさん(仮名)。女子中等教育が禁止され、学校に通えなくなった今も、自宅で学習を続けている(アフガニスタン、2026年2月25日撮影)
女子中等教育禁止は大きな損失

© UNICEF/UNI961952/Azizi
女子中等教育が禁止されているため、小学6年生の課程を修了して以来、自宅で過ごしている14歳のワヒーダさん(仮名)。再び学校へ通えるようになることを願っている(アフガニスタン、2026年2月28日撮影)
「アフガニスタンにおける女子教育と女性の労働力参加に対する不作為の代償(The Cost of Inaction on Girls’ Education and Women’s Labour Force Participation in Afghanistan)」によると、2023年から2025年の間に、公務員の女性比率は21%から17.7%に低下しました。この報告書は、学校や病院で訓練を受けた女性専門職人材が減ることで、子どもたちの学習、健康状態、そして将来の機会が壊滅的な打撃を受けると警鐘を鳴らしています。女の子や女性の教育・就労に対する制限によって、同国で失われた経済的生産高はすでに年間8,400万米ドルに上っており、教育や雇用への道が閉ざされた状態が続けば、その損失は時間とともに増大しています。
同報告書は、女性の就労が許可され、かつ女性が必要とされている教育と保健医療の2つの分野で女性が現場からいなくなることは、学校に通う女の子が減少し、女性と子どもへの保健医療ケアが低下することにつながり、子どもたちに直接的な害を及ぼすと訴えかけています。その影響は保健医療分野で特に深刻です。アフガニスタンでは、社会的背景から、女性が男性から医療サービスを受けることが妨げられることが多く、女性の保健医療従事者の減少は、妊産婦、新生児、および子どもの保健サービスを直接的に制限することになります。
ユニセフ事務局長のキャサリン・ラッセルは次のように述べています。「アフガニスタンは、必要不可欠なサービスを支える将来の教師、看護師、医師、助産師、ソーシャルワーカーを失ってはなりません。しかし、女の子たちが教育から排除され続けるならば、それが現実となるのです。私たちは、事実上の当局に対し、女の子の中等教育禁止措置を解くよう強く求めるとともに、国際社会に対し、女の子の学ぶ権利を支援し続けるよう呼び掛けます」。
アフガニスタンは二重の危機に直面しています。それは、訓練を受けた女性の専門職人材を失うと同時に、それらを引き継ぐ次世代の育成も阻まれているという状況です。経験豊富な女性が退職したり職を離れたりする一方で、女の子は教育を続けることや、これらの役割を担う道が閉ざされています。対応が1年遅れるごとに、アフガニスタンは熟練した専門家の世代をさらに1つ失うことになります。
女の子の学ぶ権利の回復は不可欠

© UNICEF/UNI955578/Khayyam
高校1年生のときに女子中等教育が禁止されて以来、家事や内職をしながら自宅で過ごしている17歳のサハルさん(仮名)。教師になる夢を抱きながらも、将来に希望を見いだせずにいる(アフガニスタン、2026年2月25日撮影)
2021年9月に事実上の当局が、女の子が中等教育を受けることを禁止して以来、世界でも女性の識字率が最も低い国の一つであるアフガニスタンにおいて、100万人の女の子が学ぶ権利を奪われてきました。調査によると、この禁止措置が2030年まで続いた場合、200万人以上の女の子が小学校から先の教育を受ける権利を奪われることになります。学校教育はすでに影響を受けており、初等教育における女性教員の数は2022年の約7万3,000人から、2024年の約6万6,000人へと9%以上減少しています。
こうした制限にもかかわらず、ユニセフはアフガニスタンにおける子どもの教育支援を続けています。2025年には、公立学校の370万人超の子どもが緊急支援を受けました。44万2,000人の子ども(その66%が女の子)がコミュニティを基盤とした学習の取り組みの対象となりました。また232校の学校が建設または修復されました。
また新たな世代の女の子たちが学ぶ機会を失おうとしている中、ユニセフは、女の子の中等教育および高等教育を受ける権利を回復し、初等教育への投資を維持するための緊急の行動を呼び掛けています。初等教育は、人材育成への重要な道筋であり、また包摂的な学習が女の子にもたらす望ましい成果を明らかにする証でもあります。これらの取り組みは、アフガニスタンの保健、教育、そして経済の将来にとって不可欠です。
「アフガニスタンの女の子たちから中等教育を受ける権利を奪うことは、国全体の可能性を奪うことにほかなりません。女の子たち、その家族、そしてコミュニティを貧困に縛り付け、健康状態を損ない、教育を受けた女性の世代がもたらし得る経済の原動力を抑え込んでいるのです」とラッセル事務局長は述べました。
* * *
■ 調査報告書「アフガニスタンにおける女子教育と女性の労働力参加に対する不作為の代償(The Cost of Inaction on Girls’ Education and Women’s Labour Force Participation in Afghanistan)」(英語)はこちら>


























