2016年4月1日東京発
国連人権理事会の「子どもの人身売買、児童売春、児童ポルノに関する特別報告者」は、昨年10月に実施した日本訪問の結果をまとめた報告書(Report of the Special Rapporteur on the Sale of Children, Child Prostitution and Child Pornography on her visit to Japan)を発表。日本のインターネット関連事業者の取り組みを高く評価しました。
インターネット上のリスクと企業の役割
デジタル技術の発展により、加害者による接触や違法コンテンツの流通を容易にするなど、子どもがオンライン上で性的搾取の被害に遭うリスクが高まっています。一方で、報告者は、インターネットは、迅速な対策を講じることも可能な領域と指摘。政府だけでなく、インターネット関連事業者(通信事業者、プラットフォーム事業者等)の役割が極めて重要であると強調しています。
事業者の取り組みを高く評価
こうした文脈の中、報告書の第3節「オンライン上の子どもの性的搾取への対策:ビジネスセクターの役割」において、特別報告者は、日本の企業による自主的な取り組みを、以下のように評価。子どもをオンライン上の被害から守る上で重要な「好事例」として紹介しています。
- 自主的な規制と業界協力
日本では、インターネット関連事業者が中心となり、違法・有害コンテンツに対する自主的な監視・削除対応が進められている。 - 通報・削除の仕組みの整備
業界団体などを通じて、子どもの性的虐待コンテンツ(児童ポルノ)などの違法コンテンツに関する通報を受け付け、迅速に削除要請を行う仕組みが構築されている。 - 官民連携の推進
企業、政府機関、NGOが連携しながら、子どもを保護するための体制が整備されている。
今後の課題
一方で報告書は、オンライン上の被害の把握とデータ収集の強化や子ども被害者への支援体制の充実、新たなテクノロジー(SNS・モバイル環境)への対応など、課題が残されていることも指摘。日本がこれまでの取り組みを基盤としつつ、より包括的で子ども中心のアプローチを強化する必要性を提言しています。
子どもの性的搾取は、子どもの尊厳と権利を深刻に侵害する重大な問題です。こうした課題に対し、企業の責任ある行動(ビジネスと人権の視点)はますます重要になっています。日本におけるインターネット関連企業の取り組みは、子どもの権利を守るための前向きな動きとして国際的に評価されました。今後も、政府、企業、市民社会が連携し、すべての子どもが安全にデジタル環境を利用できる社会の実現が求められています。



























