2026年6月19日ジュネーブ/アンマン(ヨルダン)発
戦闘が停止されたはずのガザで、依然として子どもたちが犠牲となっている現状について、ユニセフ(国連児童基金)広報官のジェームズ・エルダーは、ジュネーブで行われた国連の定例記者会見にオンラインで参加し、以下の発言を行いました。

© UNICEF Video/UN0872807
ガザの病院で治療を受ける子ども(パレスチナ、2026年6月19日撮影)
これを「停戦」と呼べるのか

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停戦後も、空爆が続くガザの様子(パレスチナ、2026年6月19日撮影)
何カ月もの間、ガザは停戦状態にあると世界中に伝えられてきました。しかし、パレスチナの子どもたちにとって、このいわゆる停戦は、残酷で命を脅かす幻想と化しています。
2025年10月に停戦が発表されて以降、ガザ全域で265人のパレスチナの子どもが命を落としています。あまりにも理不尽で痛ましい数字です。本来、自制と保護が求められるはずの停戦期間中、8カ月余りにわたって、平均すると毎日1人の子どもが命を落としているのです。
これが何を意味するのか、はっきり認識する必要があります。子どもたちは、戦場で命を落としたのではありません。自宅や学校にいる時、あるいはサッカーや釣りをしている最中に、彼らは銃撃され、爆撃され、小型無人機(ドローン)に襲われました。
世界がなお停戦という言葉を口にし続けている一方で、ガザの家族たちは息子や娘を埋葬し続けています。毎日1人の子どもが命を落としているのであれば、議論すべきは、もはや停戦がどの程度機能しているかではありません。これを「停戦」と呼べるのか、その信頼性が問われているのです。
今週、2歳の男の子がイスラエル軍によって銃撃され死亡しました。13歳の男の子がテントの中で銃撃され死亡しました。5歳の男の子とその父親がイスラエル軍の攻撃で死亡しました。こうした事態は後を絶ちません。
苦しんでいるのは、命を落とした子どもたちだけにとどまりません。400人を超える子どもが負傷しており、その多くは重い傷を負っています。また今週、12歳の女の子がテントの中にいたところ、クレーンに搭載された銃から発射された実弾で胸を撃たれました。3歳の女の子は自宅の中にいた際に、ドローンから発射された銃弾を顔面に受けました。医師たちは、脳出血、頭部・胸部・腹部の深刻な負傷、そして人生を一変させるような心的外傷(トラウマ)の治療にあたっています。
極めて深刻なトラウマ

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ガザで、水くみの最中に空爆に遭い、左半身の動きと視力に問題が生じたライアンさん(左)。ユニセフの支援でリハビリに取り組んでいる(パレスチナ、2026年2月4日撮影)
トラウマについて触れておきたいと思います。ガザの子どもたちにとって、恐怖、喪失、暴力はあまりにも日常的なものとなっており、トラウマはもはや、彼らの人生における一つの出来事ではありません。それは彼らの子ども時代そのものとして、文字通り、身体の中に刻み込まれているのです。そのトラウマは極めて深刻であり、子どもたちが食事を摂り、眠り、そしてもちろん健全に発達する能力にも影響を及ぼしています。多くの子どもは、極度の恐怖や苦痛の中で暮らしているため、食事を適切に摂ることも難しい状態に陥っています。そのため、栄養不良はいっそう悪化し、身体的な衰弱と心の傷の双方を抱えるようになっているのです。
何百人もの子どもが、緊急の医療搬送を必要としています。同時に、必要不可欠な医薬品の供給制限により、負傷した子どもたちはより大きな痛みを強いられ、感染症や合併症、さらには手足の切断のリスクに直面しています。
世界のどこか別の場所で起きていれば国際社会の激しい憤りを招くような、これほどの規模の子どもの死を、容認し続けてはなりません。異常な事態を当たり前のように受け止めるのは止めなければなりません。停戦中にこれほど大規模に子どもの命が奪われ続けているという事実は、国際法の遵守を標榜するあらゆる政府や機関にとって警鐘となるべきなのです。
子どもたちが殺され続けているのは、打つ手がないからではありません。それは政治的意思の欠如の結果なのです。責任が問われないまま一日が過ぎるたびに、同じメッセージが発信されています。すなわち、「パレスチナの子どもたちの命は、誰も責任を問われることなく奪うことができる」というメッセージです。これはもはやシステムが機能していないのではなく、その状態自体がシステム化してしまっているのです。
最後に、関連する件として、6月17日にユニセフが発表したレバノンに関する声明について触れたいと思います。レバノンでは、3月2日以降、100日以上にわたる激化した敵対行為によって、247人の子どもの命が奪われ、1,000人近くが負傷しています。これは、平均すると毎日12人の子どもが殺されたり、重傷を負ったりしている計算になります。1日当たり12人の子どもです。私たちが再び、殺され、負傷した子どもの数を1日平均で計算しているという事実自体が、その悲惨な実情を物語っています。レバノンでも停戦が宣言されましたが、子どもたちの命は奪われ続けています。子どもたちが殺され続けている限り、いかなる停戦も意味あるものとは見なせません。子どもたちに対する暴力は終わらなければなりません。
※ユニセフが6月17日発表したレバノンに関する声明の日本語訳はこちら>


























