2026年6月30日ニューヨーク/ジュネーブ発
7月6日~7日にジュネーブで開催される第1回「AIガバナンスに関するグローバル対話」を前に、ユニセフ(国連児童基金)は、子どものAI利用に関する最新調査の結果を公表。AIガバナンスに子どもの安全と保護に関する権利を組み込むよう訴えています。

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中学校で、コンピューターを使って学習する生徒たち(セルビア、2024年6月17日撮影)
急速に広まる子どものAI利用

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砲撃が続くヘルソン州の地下シェルターで、スマートフォンに見入る子どもたち(ウクライナ、2026年3月11日撮影)
人工知能(AI)はすでに私たちの暮らしや社会の一部になりつつあります。そして今や、世界中で子どもたちの発達や経験に影響を及ぼしています。それには功罪両面があります。
世界中の子どもの間でAIの利用が相当な規模と速さで広がっていることを裏付けるデータが得られました。また、それとともに生じているリスクや格差も浮き彫りになっています。
今回、ユニセフが10カ国のデータをもとに行った分析に基づけば、少なくとも2,000万人の子どもがAIを利用したことがあると推計されます。また、その多くは、おとなの3倍以上の速さでAIを使い始めていたことも明らかになりました。おとなを大きく上回るペースで、子どもたちのAI利用が広がっています。
さらに、今回の調査では、200万人を超える子ども、すなわち10人に1人の子どもが、AIに不安や悩みについての助言を求めていると回答しました。勉強や宿題にAIを利用している子どもも、推計で1,300万人に上ります。
子どもたちの間でAI利用が急速に広がる一方で、そのガバナンスに関するルールは、その変化に追いついていません。子どもたちを守るための規制もその一つです。
子どもたちは、AIシステム(その設計のあり方、基盤となるビジネスモデル、そして自らのデータがどう利用されるかを含め)に、(おとな以上に)より広くさらされています。その一方で(おとなに比べ)、それを避けたり異議を唱えたりする力ははるかに限られています。ガバナンスの不備による影響を真っ先に被るのは子どもたちであり、その結果を最も長く背負うことになるのも子どもたちです。それにもかかわらず、現在のAIガバナンスでは子どもの利用が十分に考慮されていません。
AIは、子どもたちが学び、遊び、創造性を育むための機会をもたらす可能性を持っています。しかし、認知発達への影響や情緒的な依存、有害な影響に関する知見は、ようやく蓄積され始めたばかりです。一つの世代が、世界規模の実験の中で成長しているとも言えるのです。
AIガバナンスに子どもの安全と保護を

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ユニセフが支援する学習センターで、コンピューターを使って勉強する14歳のダマアさん(ヨルダン、2025年5月21日撮影)
子どもたち自身も、このリスクを認識しています。調査対象の10カ国では、3人中1人が、AIが詐欺や人をだます行為、あるいは誤情報の拡散に利用されることを心配していると回答しました。また4人に1人は、自分の画像や動画が性的ディープフェイクへと加工されることを恐れていると答えています。あまりにも多くのAIシステムが、安全対策が講じられないまま子どもたちに利用されています。安全性は、後回しにされているかのようです。
「AIガバナンスに関するグローバル対話」の第1回会合を前に、ユニセフは各国政府や企業・事業者団体、パートナー機関や団体に対し、世界のAIガバナンスに子どもの権利、とりわけ安全と保護に関する権利を組み込むよう求めています。そのために必要なのは以下の取り組みです。
- AIが子どもの発達とウェルビーイングに与える影響、特にリスクに関する調査研究への投資を拡大する。
- AIを利用した性的搾取や性的虐待を防止するため、法律、ガバナンスの枠組み、企業の説明責任を強化する。
- AIシステムを、最大限の安全性と透明性を備えるように設計することで、すべての子どもが守られながら、AIがもたらす機会を活用できるようにする。
- 子どもたちとその親や養育者がデジタル環境の中で健やかに成長し、力を発揮できるよう、AIリテラシーを育成し、必要な支援を提供する。
- 国内外のAI格差を解消するため、すべての子どもとその親や養育者が家庭や学校で利用できる、デジタル基盤と質の高い通信環境への投資を進める。
今、私たちは、極めて重要な岐路に立っています。AIに関して今日下される判断は、今後何十年にもわたり、子どもたちの安全、プライバシー、ウェルビーイング、そして機会への平等なアクセスを左右することになるのです。
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注記
ユニセフの調査報告書「Snapshot of AI Usage and Concerns Among Children and Parents(仮題:子どもと保護者のAI利用と懸念の現状)」はこちら>
本報告は、「Disrupting Harm Phase 2」の調査データに基づいています。同調査は、ユニセフ・イノチェンティ研究所、国際NGOのエクパット、およびインターポール(国際刑事警察機構)が主導し、子どもをオンラインの危険から守るための国際的投資プラットフォーム「Safe Online」の資金提供を受けて実施された研究プロジェクトの第2段階として行われました。分析対象国は、アルメニア、ブラジル、コロンビア、ドミニカ共和国、ヨルダン、メキシコ、モンテネグロ、北マケドニア、パキスタン、セルビアです。
ここで示された推計値は、ユニセフと世論調査会社のIPSOSがこれら10カ国で実施した全国代表性のある世帯調査に基づいています。各国の調査では、インターネットを利用する12~17歳の子ども約1,000人と、その親または養育者約1,000人を対象とし、国の人口をほぼ網羅(91~100%)できるよう設計されたサンプリング手法を採用しました。各国の調査結果を、国連の2024年人口データおよび子どもの推計インターネット利用率に基づいて加重し、人口全体に当てはめた推計値を算出しました。調査は、多様な地域的背景を考慮して選ばれた国々で行われました。

























