2026年7月1日スーダン発

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スーダン・ガダーレフ州では、ユニセフが実施する「スーダン初等教育緊急支援プロジェクト(SPEEP)」によって、教室の環境が改善され、子どもたちが再び学校に通うきっかけとなっています。
ガダーレフにあるアルバン・ジャディード小学校の3年生の教室では、約50人の児童たちが英単語を繰り返し声に出して練習しています。

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“Look, book, cook, foot” リーム先生が落ち着いた声で、子どもたちをやさしく導くように繰り返します。
長い棒を手に教室の前に出たのは、先生と同じ名前を持つリームさん(14歳)。黒板に書かれた単語を一つずつ指しながら、クラスメートと声をそろえて読み進め、簡単な文章へと進んでいきます。
約3年前に始まった紛争で、勉強する機会を奪われてきた子どもたちにとって、このような瞬間はとても貴重です。今、子どもたちは失ってしまった学びを、一つ一つの授業を通して取り戻そうとしています。
中断されていた学びを取り戻す

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校内のほかの教室も子どもたちでいっぱいです。本来、学校は長いお休みの期間ですが、授業は続いています。
ユニセフが支援する代替学習プログラム(ALP)の補習クラスでは、避難や治安の悪化、学校の損壊によって長期間学校に通えなかった子どもたちに、教師たちが学ぶ機会を届け続けています。
「子どもたちはすでにアルファベットの文字を読めるので、今は単語の並べ方や、簡単な文章の作り方を学んでいます」。リーム先生はそう説明しながら生徒たちに微笑みかけます。
こうした学びの場を必要とする子どもたちは多くいます。ガダーレフ州各地では、いまだに学校に通えていない子どもが少なくなく、学び直しの機会となるこうしたプログラムは、子どもたちが取り残されてしまうのを防ぐうえで、欠かせないものとなっています。
学校が避難民のための場所となったとき

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3年前、アルバン・ジャディード小学校の様子は、今とは全く違っていました。「私たちの学校には、机も、椅子も、扇風機も十分にありました」と、校長のワティ・アルディンさんは振り返ります。「児童の数も今より少なく、教室の状態も良かったのです」
しかし、そのあと紛争が始まりました。国内の他の地域で起きた暴力から逃れてきた家族が増え、この学校もスーダン各地の他の学校と同じように、避難民が身を寄せる避難所となったのです。
「教室の中で料理をする家族もいました」ワティ・アルディンさんは続けます。「壁や床、窓、ドアがひどく傷んでしまいました」
やがて授業が再開されても、ほとんどの教室は利用できる状態ではありませんでした。
「運が良ければマットに座れる時もありましたが、基本床に座って授業を受けていました」3年生のラビジャヤくんは振り返ります。「地面はすごく硬くて、とても痛かった」
そのまま学校に戻ってこなかった子もいます。戻ってきても、数週間で通えなくなった子もいます。
子どもたちの危機と学びの危機
スーダンで起きているこの危機で、最も影響を受けているのは子どもたちです。
紛争の開始から約3年。何百万人もの子どもたちが教育や保護、基本的な支援を受けられない状況に置かれています。およそ800万人の就学期の子どもたちが現在も学校に通えておらず、国内の多くの教室が損壊したり、略奪の被害を受けたり、避難してきた家族のためのシェルターとして利用されていたりします。
しかし、わずかな支援でも大きな変化を生み出すことができるのです。2025年、アルバン・ジャディード小学校はスーダン初等教育緊急支援プロジェクト(SPEEP)による支援を受けました。SPEEPは、「教育のためのグローバル・ パートナーシップ(GPE)」からの資金提供を受け、世界銀行が管理し、ユニセフによって実施されているプロジェクトです。
このプロジェクトは、助成金の提供を通じて、再開した学校を支えています。同時に、助成金を有効活用できるように学校運営委員会の体制を強化したり、学校改善計画を立てたりしています。その中で、学校環境を整え、授業の質を高め、紛争の影響を受けた子どもたちが確実に学び続けられるようにしています。
「助成金のおかげで、我々の学校は見違えるほど変わりました」ワティ・アルディンさんは言います。
わずかな支援が大きな変化に

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学校改善委員会(学校長や保護者・教師の代表で構成)は、研修を受けた後、学校の改善計画を立て、優先して取り組むべき課題を特定しました。
委員会は以下の取り組みに注力することに同意しました。
・教室の修理と塗り替え
・ドアや窓の修理
・長椅子の調達
・学校の周りを囲うフェンスの設置
・教材の購入
・教師への特別手当て支給
取り組みの成果はすぐ現れました。
もともと600人程度だった入学者は900人以上にまで増え、そのうち約2割は、避難してきた子どもたちです。
「補助金をもらう前、長椅子に座れていた子どもは全体の2割ほどでしたが、今ではそれが8割以上にまで増えています。」ワティ・アルディンさんは誇らしげに話します。
「学習環境が整っていなかったことを理由に学校を離れていた子どもたちも戻ってきました。学校がより安全で、魅力的な場所になったことで、通い続ける子どもも増えています」
子どもたちを迎える教室
子どもたちたちにとって、これらの変化は明らかです。
「椅子が使えるようになって嬉しいです。でも、まだ足りていません。」家族とともにハルツームから避難してきたリームさんは語ります。同じ学校に通うマナヒルさんは別の部分に目を向けています。「ここで学ぶのが好きです。先生たちが優しくて、いつも支えてくれるから」と、彼女は話します。「わからないことがあるときも、時間をかけて丁寧に教えてくれます」
エンジニアになることを夢見るラジャビヤさんにとって、学校はよりよい未来への懸け橋です。「勉強は夢をかなえるために必要なもの。だから私にとって大事なんです」とラジャビヤさん。「私、エンジニアにも、お医者さんにも、先生にもなれるかもしれないでしょ?」
そのそばで、カディジャさんが少し恥ずかしそうに、身を乗り出してささやきます。「私、今では読み書きができるようになりました」
こうした子どもたちの変化を支えているのは、修繕による学校の環境改善だけではありません。スーダン初等教育緊急支援プロジェクト(SPEEP)による助成金を利用して、教材やノート、鉛筆、ペン、チョークなどの学用品が支給され、充実した授業を先生たちが行えるようにしているのです。

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「ここで学ぶのが好きなんです。先生たちが優しくて、いつも支えてくれるから」
マナヒル。
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学びを通じて希望を取り戻す
リームさん、マナヒルさん、ラジャビヤさん、そしてカディジャさん。この4人の他にも何百人もの子どもたちが、アルバン・ジャディード小学校に毎日通っています。スーダン初等教育緊急支援プロジェクト(SPEEP)を通じた的を絞った支援と、教育のためのグローバル・ パートナーシップ(GPE)からの後押しによって、教室は再び安全で、尊厳が守られ、未来の可能性が詰まった場所になりつつあります。
多くの子どもたちが、紛争によって当たり前の日常を奪われてきたこの国で、学校の再建は単に建物や椅子などを整備することではありません。それは、子どもたちの未来を守ること、そして子どもたちにもう一度、学び、学校に通い、夢を見る機会を届けることなのです。

























