2026年7月31日ジュネーブ/ニューヨーク発
8月1日からの世界母乳育児週間を前に、ユニセフ(国連児童基金)事務局長のキャサリン・ラッセルは、世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長と、以下の共同声明を発表しました。

© UNICEF/UN0890787/Paz
ラ・グアイラ州の避難所にユニセフが設置した「母乳育児コーナー」で、1歳のレイベルちゃんに母乳を与える母親のルイスリアニスさん(ベネズエラ、2026年7月14日撮影)
母乳育児率は上昇も、地域格差が課題

© UNICEF/UNI993698/Onuoha Ogwe
ベヌエ州マクルディーの国内避難民キャンプで、世界母乳育児週間のイベントに参加する母親たち (ナイジェリア、2026年5月18日撮影)
世界では今なお、多くの母親や家族が、子どもを母乳で育てるために必要なサービスや支援を十分に受けられていません。
しかし、母乳育児は、子どもの健康を守るための最も身近で効果的な方法の一つです。母乳は乳児や幼児に必要不可欠な栄養を与えるだけでなく、免疫力を高め、重篤な病気から守り、認知能力の発達を支えます。
母親にとっても、母乳育児は健康面での大きな利点があり、乳がんや卵巣がん、2型糖尿病などの非感染性疾患のリスクを低下させることが知られています。
心強いことに、世界の母乳育児率は上昇しています。赤ちゃんの生後6カ月までの完全母乳育児率は、2012年の約37%から現在では47%を超えています。また、2歳まで母乳育児を続ける割合は、この5年間で38%から50%へと増加しました。
こうした成果は、母親と家族を支援する政策やプログラムへの継続的な資金投入が実を結んでいることを示しています。しかし、その進展には未だ地域差があり、世界的目標の達成に遅れが見られる国も多くあります。母乳育児を支援するサービスの普及率は依然として低く、政策の実施状況にもばらつきがあるのです。また、特に低所得国や脆弱な状況にある国、人道危機が起きている国では、サービスの質が不十分な場合が多く見られます。
すべての子どもに人生の最良のスタートを

© UNICEF/UNI834590/Sufari
サラワク州の先住民族の村で、息子ラファエルちゃんに母乳を与えるアリスさん(マレーシア、2025年7月15日撮影)
どのような取り組みが効果を上げるかは明らかです。費用対効果の高い取り組みとしては、保健医療システムの中で専門的な母乳育児支援を提供する、地域に根ざしたカウンセリングを行う、母性保護に関する政策を実施する、そして市販の乳児用調製乳の不適切な販売促進から母親や家族を守ることが挙げられます。
こうした取り組みへの投資は大きな成果をもたらします。母乳育児への支援を拡充することで、毎年40万人近い子どもと約14万人の母親の命を守ることができます。また、母乳育児の推進に1米ドルを投じるごとに、保健医療費の削減や認知発達の促進、学習成果の向上、生涯所得の増加などを通じて、推計59米ドル相当の経済効果を生み出します。
2026年の世界母乳育児週間のテーマ「Breastfeeding for a Sustainable Start in Life: Strengthen What Works」(仮訳:持続可能な人生のスタートのための母乳育児―実績ある取り組みをさらに強化しよう)の下、ユニセフとWHOは各国政府に対し、次の取り組みを呼び掛けています。
- 母親と新生児に質の高い母乳育児支援を提供する。
- コミュニティを基盤としたカウンセリングやピアサポート・プログラムを拡充すること。
- 「母乳代用品の販売流通に関する国際規準」の実施・遵守を徹底する。
- 有給の産前産後休業や、母乳育児を支える職場環境への投資を拡大すること。
- 母乳育児促進の取り組みを、産前・周産期・産後の保健医療サービスに組み入れる。
- 人道危機下や脆弱な状況下においても、母乳育児への支援を継続する。
母乳育児は極めて重要です。効果が実証されている取り組みへの資本投下を通じて、すべての子どもに人生の最良のスタートを担保し、すべての母親が必要なケアとサービスを受けられるようにすることができます。

























