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ストーリー

ネパール
土石流発生後のこころのケア
子どもたちに安心を届けるユニセフの活動

2026年9月29日ネパール発

ヌワコットの病院に設置された仮設テントでは、子どもたちがカウンセラーと一緒に、少しずつ自分の経験を言葉にしようとしています。ここは、土石流の被害を受けた子どもたちとその家族が、その恐怖やショックから立ち直るのを支えるために設けられた場所の一つです。

© UNICEF Nepal/2026/RUpadhayay

今回の災害の被害地域全体で、今も非常に膨大な支援が必要とされています。土石流は、6地区にわたって、子ども3万2,021人を含むおよそ8万4,270人の生活に影響を及ぼしました。

何千人もの人々が避難を余儀なくされ、家族は避難施設や仮設避難所での生活を続けています。また、学校や保健施設、水道設備、道路、橋などが損壊し、多くの地域で人々の日常生活に支障が出ています。

子どもたちにとって、その影響は、損壊した学校や家屋など、目に見えるものだけにとどまりません。子どもたちが語ること、そして語らないことからも、その影響がうかがえます。ある家族は、再び土石流が押し寄せて来るのではないかと恐れ、真夜中に目を覚ますと、持てるものだけを持って高台へ逃げたことがあると語りました。

トリシュリ病院の医師で、ユニセフのメンタルヘルス分野で以前、ユース・アドボケイトとして若者の代表を務めたシタンス・ダカル医師は、子どもたちとその家族が恐怖に直面する場面を目の当たりにしました。ヘルスワーカーが傷の手当てや、緊急の治療が必要な患者を適切な医療につなぐ一方で、心への影響は目に見えにくいものの、決して見過ごすことはできないと語ります。

「私たちが目にしたさまざまな被害とは別に、目には見えなくても大きな苦痛をもたらしているのが、土石流の影響を直接、あるいは間接的に受けた人々の、こころの傷です」とダカル医師は言います。

 

© UNICEF Nepal/2026/RUpadhayay

仮設テントでは、喪失感や恐怖、先が見えない不安の中で数日間を過ごしてきた子どもたちに、こころの応急ケアを通して安心して過ごせる空間を提供しています。カウンセラーは、子どもたちが安心できるよう寄り添い、無理なく話せるよう耳を傾け、さらなる支援が必要な子どもは、適切な支援につなげています。

© UNICEF Nepal/2026/RUpadhayay
ヌワコット群、ビドゥール市。ユニセフが支援する代替病院に設置された医療テントにて。(ネパール、2026年9月10日撮影)

これまでにユニセフは、地域に根ざした心理社会的支援を通じて、782人の子どもを含む、1,900人以上の土石流の影響を受けた人々を支援してきました。

ヌワコット、ラスワ、ダディンの避難施設では、精神科医や心理士、心理カウンセラーによる専門的なメンタルヘルス支援が行われ、1,382人の子どもと若者を含む2,893人がその支援を受けています。しかし、支援を必要としている人は依然として多いままです。

© UNICEF Nepal/2026/RUpadhayay

少なくとも、1万7,000人の子どもたちがメンタルヘルス支援や、心理的サポートを必要としていると推定されています。また、親と離れ離れになった子どもや、保護者がいない子どもは541人確認されており、家族の捜索や再会、1人1人の状況に合わせた支援などといった継続的な保護が必要とされています。

ダカル医師は、このような支援を災害対応の中心に据え続ける必要があると訴えます。子どもたちは、災害後、最も傷つきやすい存在です。子どもたちの回復を支えるためには、目に見える被害だけでなく、今も抱えているかもしれない恐怖や混乱、不安にも目を向ける必要があると、彼女は語ります。

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