2026年10月22日コペンハーゲン/ジュネーブ/ニューヨーク発
マラリアワクチン「RTS,S/AS01」の価格を約40%引き下げる新たな合意が、本日発表されました。ユニセフが実施し、Gaviワクチンアライアンス(以降、Gavi)が資金支援するこの取り決めにより、2027年から2029年にかけて約5,000万米ドルの費用削減が見込まれます。
価格40%削減でより多くの子どもの接種が可能に

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エチオピアで導入されたマラリアワクチンのバイアル。蚊を媒介とする感染を防ぐための防虫処理済み蚊帳の配布と併せて、子どもへのワクチン接種が進められている(エチオピア、2025年9月18日撮影)
マラリアワクチンの需要が高まる中、この価格引き下げにより、これまでより最大100万人多い子どもたちが、必要な4回の接種を受けられるようになるほか、各国が他のワクチンをより多くの子どもに接種することにもつながります。
「予防接種のための国際金融ファシリティ(IFFIm)」による前払いによって実現したこの取り決めにより、マラリアワクチンの価格は、現行から約40%引き下げられ、1回分当たり5.50ユーロとなります。ユニセフによるワクチンの調達に先立ち、供給能力の拡大を可能にする新たな製造施設について世界保健機関(WHO)の事前認証を取得することなど、規制面・製造面での一定の条件を満たす必要があります。
新たな価格は、2027年初めには適用される見込みです。価格の引き下げは、マラリアワクチンの製造を途上国のワクチン製造業者へ移管したことに基づくものであり、より持続可能で競争力のあるマラリアワクチン市場を形成するための継続的な取り組みを反映しています。価格が下がれば、各国はより多くの子どもを守ることができます。一方、ワクチンの需要が増え続ける中、長期にわたってワクチンを利用可能とするには、複数のワクチン、十分な製造能力および安定した供給が確保された健全な市場が不可欠です。
これまでに7,400万回分以上を調達

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首都ジュバで、マラリアワクチンの接種を受ける子ども。2024年7月、南スーダン保健省がユニセフ、Gavi、WHOと連携し、マラリアワクチンの全国展開を開始した(南スーダン、2024年7月16日撮影)
マラリアワクチンの接種が2024年に始まって以来、その需要は当初の予測を上回っています。これまでにユニセフが調達・配布したワクチンは7,400万回分を上回っています。Gaviが資金提供するマラリアワクチン支援プログラムは現在、世界のマラリアの疾病負荷の70%超を占めるアフリカ25カ国で、定期予防接種に組み込まれています。国際的な援助資金が前例のないほど減少している現在、2030年までにさらに5,000万人の子どもにマラリアワクチンを接種するという同アライアンスの目標を達成するためには、手頃な価格で持続可能な供給体制を整える取り組みが不可欠です。
マラリアによって毎分1人の子どもが命を落としています。年間では約50万人に上ります。2024年には、世界全体で推定2億8,200万件のマラリア感染例と61万人の死亡があり、いずれもその95%近くがアフリカで発生しました。死亡者の約74%は5歳未満の子どもでした。
マラリアの流行に強い季節性がある地域で、流行時期に合わせて計4回の接種を完了した場合、マラリアの症例を約75%減らすことができます。気温の上昇により感染パターンが変化し、以前はマラリアが発生しにくかった地域にまで感染が広がるほか、洪水などの極端な出来事によって地域全体が避難を余儀なくされ、インフラが損なわれ、保健医療体制が崩れる中、新たな改良型マラリアワクチンの重要性はますます高まっていきます。
蚊帳や虫よけ剤、診断と治療を組み合わせて
ワクチンは数あるマラリア対策の一つであり、ほかには防虫剤処理を施した蚊帳、空間散布装置、虫よけ剤などの媒介生物対策、また予防的薬剤投与、迅速な診断と治療などがあります。
ユニセフ物資供給部門の部門長レイラ・パッカラは次のように述べています。「この合意は、命を守るワクチンを最も必要とされている場所でより多くの人が利用できるようにし、より多くの子どもをマラリアから守るための重要な一歩です。同時に、イノベーションを継続的に支援するという強いメッセージでもあり、将来の世代にとってマラリアの影響をさらに軽減できる次世代ワクチンの開発を推進する助けとなります」。
注記
ユニセフとGaviによるワクチン市場形成の取り組みについて
ユニセフは世界最大のワクチン調達機関で、毎年30億回分を超えるワクチンを供給しています。これは、世界の子どもの約半数に接種できる量です。Gaviは25年以上にわたり、所得水準の低い国々におけるワクチンの調達、物流、市場形成および国家予防接種プログラムへの導入を促進し、感染症の世界的流行を抑えることに貢献してきました。ワクチンアライアンスのパートナーとしてGaviとユニセフは、子どもの命を守るワクチンを世界規模で安定的かつ持続可能に供給するために欠かせない、健全な市場の形成に協力して取り組んでいます。これには、ワクチン需要を創出・拡大すること、各国がワクチン接種を国家予防接種プログラムに導入できるようにすること、製造業者が供給拡大に投資できる環境を整えることが含まれます
マラリアワクチンについて
- WHOはこれまでに事前認証したマラリアワクチンは2種類あります。RTS,S/AS01は世界初のWHO事前認証を受けたワクチンで、GSK、PATHおよびパートナーによって開発されました。現在は将来の供給に向けGSKからBharat Biotechへ技術移転が進められています。R21/Matrix-M™はオックスフォード大学とインド血清研究所(SII)が、ノババックス社のMatrix-M™アジュバント技術を活用して共同開発したものです
- WHOにより事前認証を受けた両ワクチンは、子どものマラリア予防のためにWHOが推奨している安全で有効なワクチンです。
- 第3相臨床試験において、いずれのワクチンも、接種後最初の1年間にマラリアの感染例を半分以下に減らしました。この時期の幼い子どもは、病気にかかったり命を落としたりするリスクが特に高くなります。生後2年目に4回目の接種を行うことで、予防効果がより長く持続しました。
























