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日本ユニセフ協会

ストーリー

今も、ユニセフはそこに
世界の支援現場で働く日本人職員の想い

2025年6月18日東京

世界のユニセフスタッフ(ロゴなし)

すべては子どもたちの笑顔と未来のために……。
ユニセフは、もっとも支援の届きにくい子どもたちを最優先に、世界190の国と地域で活動している国連機関です。それぞれの場所で、1万7,000人以上のスタッフが、子どもたちへの想いをもって、日々彼らに寄り添いながら活動しています(2025年3月時点)。そんな日本人職員4名から、自身の仕事の内容や、子どもたちに対する想い、やりがいについて伝えるメッセージ動画が届きました。

* * *

“世界に栄養不良で苦しむ子どもたちがいる限り、
ずっとこの仕事を続けたいと思っています”

川合 菜月(ユニセフ 西部・中部アフリカ地域事務所 / 栄養担当官)

セネガルの子どもたちの命と健やかな成長を栄養面から支える栄養担当官として、特に発育阻害予防に関するプロジェクトを担当しています。セネガルは周辺の西アフリカ諸国と比べて、比較的栄養指標は良いものの、完全母乳育児割合の低さや、離乳食における栄養バランスの偏りを起因とした発育阻害の子どもの多さが問題となっています。

ユニセフでは、小さな子どもを持つお母さんたちに離乳食指導を行うために、イラスト入りのお椀を開発しました。また、セネガルの地方では、急性栄養不良で亡くなってしまう子どもたちを守るために、保健省とともに、急性栄養不良児の診察・治療をするためのガイドラインを作成、ビタミンAサプリやペースト状の栄養治療食といった支援物資の配布も行っています。

栄養は子どもたちの命を守り、健やかに育つための基礎となります。この仕事を通じて、子どもたちの当たり前の幸せを守ることができていると実感したときにやりがいを感じますし、子どもを見守る家族や、近所の方たちの温かいまなざしや笑顔を見ると、とても嬉しくなります。世界に栄養不良で苦しむ子どもたちがいる限り、ずっとこの仕事を続けたいと思っています。

“同じ目的を共有するユニセフの仲間たちと、
子どもの幸せのために毎日仕事をしていることを誇りに思っています”

堀井 健士(ユニセフ・コンゴ民主共和国事務所 / プログラム専門官)

ユニセフは1963年からコンゴ民主共和国で活動しています。しかし、紛争の拡大により、今年に入ってからも東部の2つの主要都市が武装組織に占拠されるなど、すでに深刻だった人道危機が悪化の一途をたどっています。ユニセフは、このような厳しい状況でも現地で活動を続け、緊急支援物資の配布や、医薬品の提供、安全な飲み水の確保、栄養支援など多岐にわたる活動を行っています。

私の役割は、各国大使館、開発・人道支援機関、国連のさまざまな組織と連携しながら、資金調達や技術協力を推進することです。私自身、娘が二人いるのですが、自分の子どもが同じ状況に置かれたらと考えると到底耐えられません。しかしそれが今、コンゴ民主共和国で多くの家族が直面している現実です。

国際社会の一員として、そして、一人のおとなとして、子どもたちが生き延び、健やかに成長し、子どもらしい時間を過ごせるようにすることは私たちの責任です。何よりも、一度失われた子ども時代は、決して取り戻すことができません。 同じ目的を共有するユニセフの仲間たちと、子どもの幸せのために毎日仕事をしていることを誇りに思っています。

“暴力や虐待、搾取の犠牲となる人が
一人でも少なくなるようにすることが、
女の子や女性のために働く意味だと考えています”

小川 亮子(ユニセフ・アフガニスタン事務所 / プログラム専門官)

アフガニスタンでは、2021年8月に政権が代わってから、女の子や女性の、自由と自立の権利が日を追うごとに失われていっています。女の子は中学校以上へ行くことができず、女性は家庭内の男性の付き添いなしには外出することもままなりません。宗教警察がいつも人々を見張っています。

私の仕事は、女の子や女性たちが命と尊厳を守られながら支援を受け、必要なときに助けを求めることができる仕組みをつくり、運用することです。彼女たちの意見を聞き、支援が必要なときには一人ひとりに対応します。終わらない紛争と日に日に締め付けが強くなる環境で、アフガニスタンの女の子と女性は、それでも強い気持ちで明るい未来がくることを信じています。

暴力や虐待、搾取の犠牲となる人が一人でも少なくなるように、そして被害にあってしまったときは、迷わず「助けて」と言える人やシステムをつくることが、私が同じ女性として、女の子と女性のために働く意味だと考えています。

“世界中のさまざまな国の人と共に、政治的に中立な立場で、
「すべての子どものために」という大きな使命のために活動できることが、
ユニセフの醍醐味ですし、その一員であることに誇りを感じています”

大平 健二(ユニセフ・モザンビーク事務所 / 教育マネージャー)

アフリカ南東部に位置し、約500年前にポルトガル人が日本まで到達した際、その中継点のひとつになったモザンビーク。現在200万人の子どもが学校に通えておらず、幼稚園の就園率は約4%と、世界でも最低レベルの国のひとつです。また、小学校3年生の20人に1人しか読み書きを習得できていないという教育の質の問題も抱えています。さらに近年の気候変動によって、サイクロンが頻繁に上陸し、特に今年は史上初3つのサイクロンにより約60万人の子どもたちが被災しています。こうした中、ユニセフでは、幼稚園の拡充、障がい児やジェンダーの問題に対する支援、教員への研修や、補助教材の提供、緊急支援を通じて、教育へのアクセスや質の向上のための支援を行っています。また、PTAや校長先生への研修を通じて、学校が子どもにとって安全で快適な勉強空間となるための支援も行っています。

ユニセフには、“すべての子どものために”という大きな使命があります。世界中のさまざまな国の人と共に、政治的に中立な立場で、この使命のために活動できることが、ユニセフの醍醐味ですし、その一員であることに誇りを感じています。

 

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ご紹介した日本人職員に加えて、世界中のユニセフ職員のメッセージ動画もご覧いただけます。

 

困難な状況にある子どもたちが、生まれ持った権利を守られ、平和に健やかに成長できることを目指して活動するユニセフ。

その活動は皆さまのご支援によって支えられています。

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※最も支援が必要な子どもたちを支え、ユニセフの様々な活動に役立てられています。

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