2026年10月7日アフガニスタン発
彼女は今も、学校の外から中の様子を覗くことしかできません。この5年間、学校の門をくぐることができたのは、子どもたちの半分だけでした。取り残されたあとの半分は、女の子たちです。
学校に戻れる日が来てほしい-
「学校の前を通りかかると、ときどき、通っていた時の記憶がよみがえります。『学校に戻れる日が来てほしい』―私は今も希望を持ち続けています」
アフガニスタンで事実上の当局が政権を掌握したとき、シャフィカさん(仮名)はわずか10歳でした。その後、相次いで出された規制により、女性や女の子たちは社会生活から締め出されていきました。
次第に女性や女の子たちのできること、行ける場所、さらには喋り方や服装にまで制限が及ぶようになりました。やがて女の子は中等教育以上の教育を受けることを禁じられました。そのときシャフィカさんはちょうど、小学校6年生を修了したばかりでした。

© UNICEF Afghanistan
自宅で勉強するシャフィカさん(仮名)。アフガニスタンでは2021年以降、260万人以上の女の子が、中等教育を受ける機会を奪われている。
翌年、シャフィカさんは再び6年生として学校に通いました。ただ学校で学び続けたかったのです。
現在、学校で新学期が始まることは、学ぶことも働くこともできずに家に閉じ込められている女の子たちにとってはまるで刑期が伸びるようなものです。多くの女性が、外出するために男性親族の許可を必要とします。今や、誰の付き添いもなく、何も気にせず動き回れる場所は想像の中にしかありません。
「もし学校に戻ることが許されたなら、胸が躍るようなわくわくした気持ちで準備すると思います」とシャフィカさんは言葉を詰まらせます。「医学を学ぶことを夢見ていました。でも、すべてが変わってしまいました」。
物心ついたときから、シャフィカさんは医師になることを夢見ていました。女子中等教育が制限されて女の子が学校に通えなくなると、時間を持て余さないよう美術を学び始めました。それも禁止されると次はコンピューター講座を受け始めました。しかし、規制はそうした機会を次々と奪っていきました。現在、シャフィカさんはほとんどの時間を家の中で過ごし、裁縫の練習や母親の家事の手伝いに時間を割いています。
「知識を得ることは何よりも重要です」自分から何が奪われたのか痛感しているシャフィカさんはそう話します。「教育は、人々により良い未来を築く機会を与えてくれます」
本当に学び続けたいのです―
14歳のラビアさん(仮名)も、この痛みをよく知っています。2024年に小学6年生を修了した後、彼女の助産師になりたいという夢は崩れ始めました。
「家にずっといるせいで、こころがつらくなっています」とラビアさんは目に涙を浮かべながら話します。「なんだかモヤモヤして、姉妹と頻繁にけんかしてしまうんです」
学校に通えなくなるということは、友人や周囲の人々とのつながり、自分らしく成長していくためのさまざまな経験からも切り離されるということです。家に閉じ込められた女の子たちは、国中で深刻な孤立や精神的な苦痛を訴えています。

© UNICEF Afghanistan
妹が小学校に通う間、自宅で過ごすラビアさん(仮名)。
「本当に学び続けたいのです」とラビアさん。「女性たちを支え、命を救いたいのです」アフガニスタンはすでに、世界で最も乳児死亡率が高い国の一つです。
さらに、何千人もの母親が、妊娠に関する原因で命を落としています。
現在、助産師など女性の医療従事者は、医療現場から追いやられると同時に、若い女性たちも医療の道に進むことを阻まれています。その結果、男性医師の診察を受けることができない多くの妊婦や母親が、妊娠中や出産前後に必要なケアを受けられずにいます。
未来への可能性が、ほこりをかぶってしまわないように—
マヒラさん(仮名)も、医師になって地域に貢献することを目指していました。女子生徒への中等教育が禁止されたとき、彼女は8年生(中学2年生)でした。現在18歳になったマヒラさんは、日々自宅で過ごし、母親の料理や掃除を手伝っています。
「娘はよく泣いています。娘が泣くと、私まで一緒に泣いてしまいます」とマヒラさんの母、ハリマさんは話します。「いつの日かすべてよくなるはずですから、希望を持ち続けるように彼女に伝えています」
マヒラさんの親しい友人たちは結婚し、新たな機会を求めてイランへ渡りました。友人たちがいなくなったことで、マヒラさんは自分が何を奪われたのか思い知らされています。
それでもマヒラさんの希望は、自宅で大切に保管しているノートの間に挟まっています。そして毎晩、家事を終えると一つひとつ勉強に取り組みます。未来への可能性が、ほこりをかぶってしまわないように。
2021年以降、アフガニスタンでは260万人以上の女の子が、中等教育を受ける機会を奪われています。ユニセフは引き続き、女の子と男の子の初等教育や、地域での学習を支援します。また、学校の建設や修復、女性教員の研修、学習教材の提供にも取り組んでいます。しかし、こうした支援だけでは十分ではなく、女の子が中等教育や高等教育を受ける権利が取り戻されることが不可欠です。
※個人情報保護のため名前を変更しています。


























