メニューをスキップ

ストーリー

「私たちが望むガザ」
再建への願いを世界へ
子どもたちが描くガザの未来

2026年10月21日ガザ(パレスチナ)発

「私たちが望むガザ」と題して、ラニアさん(16歳)、ラニーンさん(16歳)、ユスラさん(14歳)、ラワンさん(17歳)、ヌールさん(14歳)、ハラさん(18歳)の6人が制作した壁画。

© UNICEF-SoP/2026/
「私たちが望むガザ」と題して、ラニアさん(16歳)、ラニーンさん(16歳)、ユスラさん(14歳)、ラワンさん(17歳)、ヌールさん(14歳)、ハラさん(18歳)の6人が制作した壁画

2023年10月にガザ地区での戦闘が激化して以降、亡くなった子どもや傷ついた子どもの数が報じられ、その苦しみが伝えられてきました。しかし、その一方であまり注目されてこなかった大切なものがあります。それは、ガザの子どもたち自身の声です。

そこでユニセフは、ガザ地区の復興と再建について、子どもたち自身の考えや願いを世界に届けるため、「私たちが望むガザ(The Gaza We Want)」という取り組みを行いました。この取り組みでは、ガザの子どもや若者が、絵や詩、がれきを使った模型などを制作し、自分たちの経験や望む未来を表現しました。冒頭の写真にある壁画も、その作品のひとつです。

ガザの子どもたちは、どんな未来を描いたのでしょうか。そこに共通して登場するもの――子どもたちがガザの復興において優先したいこと――は何でしょうか。以下では、「私たちが望むガザ」の取り組みに参加した子どもたちの作品や声を紹介します。

 

「私たちが望むガザ」というテーマで描いた絵を見せる子どもたち

「私たちが望むガザ」というテーマで描いた絵を見せる子どもたち


「私が望むガザ それは命が息づく街」
ラマさん(13歳)

「私たちが望むガザ」をテーマにガザの子どもが描いた絵

© UNICEF/UNI950018/

ハンユニスで暮らすラマさんは次の詩を作りました。

私が望むガザ
それは風に押しつぶされそうな テントではなく
昼夜絶え間なく刻まれる 犠牲者の数でもない

それは穏やかな海に向かって 窓を開ける朝
漁師たちが帰ってくる
魚でいっぱいになった 網を抱えて
砲弾に引き裂かれた 網ではなく

それは子どもたちが 学校の宿題を綴ること
亡くなった人の名前ではなく
空にまたたく星を数えること
戦闘機ではなく

それは母親が 学校から帰るわが子を待つこと
がれきの下から見つかるのではなく
パンを焼いて
タイムの香りが立ち上ること
煙ではなく

私が望むガザ
それは命が息づく街
裸足で砂浜を歩き
笑い声が響く
世界に頭を垂れることなく
誇りをもって生きる街

 

「想像を絶する日々を過ごしてきた」
マイヤールさん(14歳)

マイヤールさん(14歳)

© UNICEF Video/UNI949557
マイヤールさん(14歳)

私は、世界中のどの子どもも経験したことがないような日々を過ごしてきました。

避難生活はとても大変です。荷物を抱えて移動し、人々が離ればなれになっていくのを目にして、頭上では銃声が響く。想像を絶する日々です。

その中でも忘れられない出来事があります。ある日、きょうだいに「がれきの上へ行こう」と誘われました。一緒に上ったその瞬間、突然大きな音がして、ロケット弾が爆発しました。その後のことはよく覚えていません。

気がつくと、私は病院のベッドの上にいました。意識を失っていたのです。手を見ると、血が流れていました。それ以来、私は今でも大きな音を聞くと怖くなります。突然叫んでしまうこともあります。速く走る車の音を聞くだけでも、それがロケット弾の音のように感じてしまい、思わず叫んでしまいます。

私が思い描く復興したガザには、「私たちが望むガザ」の取り組みで絵に描いたように、美しい家々が建っています。家と家の間にはゆとりがあり、窓を開けると、がれきではなく緑の木々が見えます。そして、鳥のさえずりが聞こえ、私たちは穏やかな気持ちで学校へ通うことができます。

 

「自分の部屋を持つことを夢見て」
サミさん(13歳)

サミさん(13歳)

© UNICEF Video/UNI949557
サミさん(13歳)

「私たちが望むガザ」の取り組みでは、住みたい家の間取り図を描き、「ガザよ、私たちはガザを再建する」という歌を歌いました。

ぼくは自分の部屋を持つことを夢見ています。おもちゃや飾りがあって、すてきな家具が並ぶ部屋です。

今はテントで避難生活を送っていて、とても厳しい状況です。家族みんなでひとつのテントに身を寄せていて、雨が降ると中に雨水が入り込んできます。電気もないので、夜になると明かりがありません。

いつか家に帰り、みんなでガザを再建したいです。

 

「将来はジャーナリストになって、ガザの子どもたちの声を世界に届けたい」
ジュードさん(12歳)

ジュードさん(12歳)

© UNICEF Video/UNI949557
ジュードさん(12歳)

以前はラファで暮らしていましたが、今はハンユニスのマワシ地区で避難生活を送っています。

今回「私たちが望むガザ」の取り組みで、物語を書く機会をもらいました。ガザがこれからどんな場所になってほしいかを思い描きながら、こんなことを書きました。

「木々が並んだ街の通りを歩きたい」。
「立派な建物が建ち並び、学校には新しい設備がそろっていてほしい」。
「近くに病院があって、すぐに治療を受けられるようになってほしい」。

将来はジャーナリストになって、自分の思いやガザの子どもたちの声を世界に届けたいです。

 

「みんなが平和に暮らせますように」
ラヤンさん(8歳)

ラヤンさん(8歳)

© UNICEF Video/UNI949557
ラヤンさん(8歳)

私は家の模型を作って、色を塗りました。石を集めて、その石にも色を塗りました。

私の夢は、この模型のような家に住むことです。戦争が終わって、自分たちの家が戻ってきて、爆撃を心配せず、安全に暮らせるようになってほしいです。

みんなが平和に暮らせますように。

みんなが自分の家に帰ることができますように。

 

「ガザの子どもたちにもたくさんの可能性があることを知ってほしい」
ハビーバさん(10歳)

ハビーバさん(10歳)

© UNICEF Video/UNI949557
ハビーバさん(10歳)

「私たちが望むガザ」のプロジェクトで、私はガザの子どもたちの思いや夢を込めた歌を作りました。私たちにもたくさんの可能性があることを知ってほしいです。ガザのみんなが幸せに暮らし、一人ひとりの願いがかなう、美しい未来になることを願っています。

私の夢は、エンジニアになることです。エンジニアは、人々の暮らしを支えるとても大切な仕事だからです。

皆さんに伝えたいことがあります。どんなときも強い気持ちを持って、あきらめないでください。もし失敗したり、つまずいたりしても、また立ち上がれば大丈夫。夢に向かって進み続ければ、きっと叶えることができると信じています。


「私たちの望むガザ」の取り組みにおいて、ユニセフは現地のパートナー団体とともに、ガザ全域で障がいのある子どもを含む5歳から18歳までの子どもたちと対話を重ねました。そのなかで、1,603人の子どもたちがアンケートに回答し、1万1,000人を超える子どもや若者が、さまざまな創作活動を通じて、望む未来を表現しました。

ここで紹介したものを含む多くの作品に共通して描かれていたのは、木々や学校、病院、安心して暮らせる家、清潔な街路、遊び場でした。ユニセフは、子どもたちが望む未来や優先したいことを記録し、その声を復興計画や政策づくりに生かすことで、子どもを中心に据えた未来づくりを後押しするとともに、ガザの未来に関する意思決定に、子どもたちが継続的に参加することの重要性を広く伝えることを目指しています。

ユニセフ・パレスチナ事務所広報チーフのジョナサン・クリックスは次のように訴えます。
「これほどの不確実性の中を生き抜いてきた子どもたちが語る言葉の明確さを、無視することはできません。子どもの声を置き去りにした復興は、子どもたちを裏切り、ガザをも裏切ることになるでしょう」。

「私たちが望むガザ」をテーマにガザの子どもが描いた絵や制作した模型

© UNICEF

 

「私たちが望むガザ」をテーマにガザの子どもが描いた絵

© UNICEF

 

 

「私たちが望むガザ」をテーマにガザの子どもが描いた絵

© UNICEF

 

「私たちが望むガザ」をテーマにガザの子どもが制作した模型

© UNICEF-SoP/2026/

関連ページ